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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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まだまだ蠍座月間ということで。

前回はカミュ先生だんまりバージョンと言っていたのに、こっちは仲良しです。

カミュ・ミロなのかミロ・カミュなのかは永遠の謎。

最近師弟の文字が、師×弟に見えてきました。


拍手[12回]



テロメア妄想 その3


聖域に向かって歩いていた氷河は、ふと視線を感じて振り返った。
振り返った先には、少年が一人。
自分と同じくらいの年恰好の少年が、こちらを見てニコニコと笑っている。
くるくると巻いたハニーブロンド。
角度によって色を変える紫の瞳。
氷河はもう驚かなかった。
ここにいるのがミロによく似た少年ではなく、少年に戻ったミロだということに。
 
「ミロ・・・ですよね?」
思わず敬語で話しかけると、少年はキラキラと輝く瞳を大きく見開いた。
「何で知ってるんだ? 俺の名前? もしかして、大人になった俺の知り合いか?」
そう言うところをみれば、状況は把握しているらしい。
身に着けている服もちゃんとサイズが合っている。
「へぇ~、どんな関係だ? 君も聖闘士?」
「はい」
頷くとミロは嬉しそうに笑った。
「遊び相手がいなくって退屈してたんだ。行こう!」
そう言ってミロは氷河の腕を掴むと、聖域とは逆の方向へと走り出した。
「ちょっと待って下さいっ! いいんですか? 聖域にいなくって。俺だってまだ・・・」
カミュに挨拶もしていない。
そう言おうとしたが、ミロの足はおそろしく速い。
氷河の手を引っ張ったまま、ほぼ光速に近い走り方をしている。
一般人の気配がしてきたところで、ようやく足を止めると振り返った。
「今は聖戦の後なんだろう? だったら少しくらい外を見てきたっていい筈なんだ。ずぅぅぅぅっっっっと思ってたんだよ。聖域の外には何があるかって。」
その言葉に思わずはっとする。カミュと同じく幼い頃に才能をみいだされ、黄金聖闘士となったミロには、子供時代なんてなかったのではないかと。
だとしたら少しくらい、その願いをかなえてあげたっていいのではないか。
「わかった。つきあう。でもサガには一緒に怒られて下さいね。」
「ああ、サガ! サガ! サガが戻ってきてるんだもんなぁ。いいぞ、いくらだって怒られてやるよ。」
ミロはつくづく幸せそうな顔をして、満足げにニカリと笑った。
 
 
アイスクリームを買う。
ミロがあんまり食べたそうにしているので、氷河がおごることに決めたのだ。
「じゃあ…俺、この水色のにしてみるわ。」
「チョコミントですけど・・・大丈夫ですか?」
「わかんないけど、一番わからないから食べてみる。」
その理屈がミロらしくて、氷河は思わず噴き出した。
「あとでいやだって言っても、知りませんからね。」
店のおばちゃんは、コーンにアイスをのせながらニコニコして訊いた。
「お兄ちゃんたち、兄弟かい?」
「似てますか?」
「う~ん、似てるよねぇ。」
顔立ちは、そう、よく見れば違う。
一人は芯の強そうなはっきりとした顔立ち。
もう一人もやはり気の強そうな瞳をしているが、どこか儚げな印象もある。
しかしいずれの少年も美しく、天使が連れだって歩いているようなのだ。
「はい、どうぞ。」
二人は嬉しそうにアイスを受け取ると、人ごみの中を歩いて行った。
 
「うわっ、これちょっと、スース―する。」
「だから言ったでしょう。」
「君・・・」
「あ、氷河です。」
「ヒョウガのはどんな味だ?」
言うが早いかミロは、氷河の手にしていたクッキー&バニラにぱくりと食いつく。
「あ~、俺もこっちにすればよかった。・・・・・・・・・っていうかさ。」
ミロはアイスを手にしたまま、じろじろと氷河を眺めた。
そうして「ま、いっか。」と笑った。
再びチョコミントに口をつける。
「うん・・・チョコを意識して食べるとうまいな。」
「そういうもんですか?」
 
その後も二人はぶらぶらと街を歩いた。
帽子屋さんで互いに帽子をかぶってみたり、洋品店の店先で安いサングラスを試してみたり。こんな風にはしゃいで街を歩くのは、氷河にとってもほとんど初めての体験だった。
 
やがて、商店街を通り過ぎる。
あたりは静かになって、どこかから夕食の支度をする匂いがしてきた。
「そろそろ帰らねば。夕食をぬかれるな。」
夕日に照らされながら、ミロは神妙な顔をした。
元来た道を、二人で引き返す。そろそろ片付け始める店もあり、なんとなく淋しい気分になる。
「見ろよ、あの太陽。あの紅い色は、カミュみたいだろう。」
「ええ」
と言ってから、氷河はまじまじとミロの顔を見た。
「すっっっっっごい会いたかったのに、今日に限って任務なんだと。あいつがシベリアに行ってから、ぜんっぜん、会ってない。手紙には、弟子のことしか書いてない。」
そう言うとミロは、人差し指で氷河のおでこをつんとつついた。
「俺は、聞いてましたけど。ギリシャにいる、強くて面白い友達のこと。」
氷河が首をかしげるようにしてミロをみつめると、ミロは照れたように頬を膨らませた。
「面白いって何だ!」
 
聖域が見えてきた。
白くそびえるその建物は、夕日の中荘厳な輝きを放っている。
「大丈夫。サガはコワイが、本当は優しい人間だ。謝ればきっと、メシ抜きなんてことはしないはず・・・。」
と、二人の前に人影が現れた。
夕日を受けて、さらに燃え立つような紅い髪をした少年が。
 
「カミュ!!」
 
二人は同時に叫んだが、抱きつくのはミロの方が早かった。
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テロメア妄想 その3


聖域に向かって歩いていた氷河は、ふと視線を感じて振り返った。
振り返った先には、少年が一人。
自分と同じくらいの年恰好の少年が、こちらを見てニコニコと笑っている。
くるくると巻いたハニーブロンド。
角度によって色を変える紫の瞳。
氷河はもう驚かなかった。
ここにいるのがミロによく似た少年ではなく、少年に戻ったミロだということに。
 
「ミロ・・・ですよね?」
思わず敬語で話しかけると、少年はキラキラと輝く瞳を大きく見開いた。
「何で知ってるんだ? 俺の名前? もしかして、大人になった俺の知り合いか?」
そう言うところをみれば、状況は把握しているらしい。
身に着けている服もちゃんとサイズが合っている。
「へぇ~、どんな関係だ? 君も聖闘士?」
「はい」
頷くとミロは嬉しそうに笑った。
「遊び相手がいなくって退屈してたんだ。行こう!」
そう言ってミロは氷河の腕を掴むと、聖域とは逆の方向へと走り出した。
「ちょっと待って下さいっ! いいんですか? 聖域にいなくって。俺だってまだ・・・」
カミュに挨拶もしていない。
そう言おうとしたが、ミロの足はおそろしく速い。
氷河の手を引っ張ったまま、ほぼ光速に近い走り方をしている。
一般人の気配がしてきたところで、ようやく足を止めると振り返った。
「今は聖戦の後なんだろう? だったら少しくらい外を見てきたっていい筈なんだ。ずぅぅぅぅっっっっと思ってたんだよ。聖域の外には何があるかって。」
その言葉に思わずはっとする。カミュと同じく幼い頃に才能をみいだされ、黄金聖闘士となったミロには、子供時代なんてなかったのではないかと。
だとしたら少しくらい、その願いをかなえてあげたっていいのではないか。
「わかった。つきあう。でもサガには一緒に怒られて下さいね。」
「ああ、サガ! サガ! サガが戻ってきてるんだもんなぁ。いいぞ、いくらだって怒られてやるよ。」
ミロはつくづく幸せそうな顔をして、満足げにニカリと笑った。
 
 
アイスクリームを買う。
ミロがあんまり食べたそうにしているので、氷河がおごることに決めたのだ。
「じゃあ…俺、この水色のにしてみるわ。」
「チョコミントですけど・・・大丈夫ですか?」
「わかんないけど、一番わからないから食べてみる。」
その理屈がミロらしくて、氷河は思わず噴き出した。
「あとでいやだって言っても、知りませんからね。」
店のおばちゃんは、コーンにアイスをのせながらニコニコして訊いた。
「お兄ちゃんたち、兄弟かい?」
「似てますか?」
「う~ん、似てるよねぇ。」
顔立ちは、そう、よく見れば違う。
一人は芯の強そうなはっきりとした顔立ち。
もう一人もやはり気の強そうな瞳をしているが、どこか儚げな印象もある。
しかしいずれの少年も美しく、天使が連れだって歩いているようなのだ。
「はい、どうぞ。」
二人は嬉しそうにアイスを受け取ると、人ごみの中を歩いて行った。
 
「うわっ、これちょっと、スース―する。」
「だから言ったでしょう。」
「君・・・」
「あ、氷河です。」
「ヒョウガのはどんな味だ?」
言うが早いかミロは、氷河の手にしていたクッキー&バニラにぱくりと食いつく。
「あ~、俺もこっちにすればよかった。・・・・・・・・・っていうかさ。」
ミロはアイスを手にしたまま、じろじろと氷河を眺めた。
そうして「ま、いっか。」と笑った。
再びチョコミントに口をつける。
「うん・・・チョコを意識して食べるとうまいな。」
「そういうもんですか?」
 
その後も二人はぶらぶらと街を歩いた。
帽子屋さんで互いに帽子をかぶってみたり、洋品店の店先で安いサングラスを試してみたり。こんな風にはしゃいで街を歩くのは、氷河にとってもほとんど初めての体験だった。
 
やがて、商店街を通り過ぎる。
あたりは静かになって、どこかから夕食の支度をする匂いがしてきた。
「そろそろ帰らねば。夕食をぬかれるな。」
夕日に照らされながら、ミロは神妙な顔をした。
元来た道を、二人で引き返す。そろそろ片付け始める店もあり、なんとなく淋しい気分になる。
「見ろよ、あの太陽。あの紅い色は、カミュみたいだろう。」
「ええ」
と言ってから、氷河はまじまじとミロの顔を見た。
「すっっっっっごい会いたかったのに、今日に限って任務なんだと。あいつがシベリアに行ってから、ぜんっぜん、会ってない。手紙には、弟子のことしか書いてない。」
そう言うとミロは、人差し指で氷河のおでこをつんとつついた。
「俺は、聞いてましたけど。ギリシャにいる、強くて面白い友達のこと。」
氷河が首をかしげるようにしてミロをみつめると、ミロは照れたように頬を膨らませた。
「面白いって何だ!」
 
聖域が見えてきた。
白くそびえるその建物は、夕日の中荘厳な輝きを放っている。
「大丈夫。サガはコワイが、本当は優しい人間だ。謝ればきっと、メシ抜きなんてことはしないはず・・・。」
と、二人の前に人影が現れた。
夕日を受けて、さらに燃え立つような紅い髪をした少年が。
 
「カミュ!!」
 
二人は同時に叫んだが、抱きつくのはミロの方が早かった。
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