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ミロ様のお誕生日♪
昨夜は天蠍宮の戦いを読み返しながら、0時を迎えました。
大好き大好きミロさん。
誕生日に合わせて何か書けるくらいなら、もうとっくに何か書いてるさ・・・とふてくされつつ、書きかけていた話を何とか最後までまとめてみました。
氷河の修業時代に、ミロさんが遊びに来ていたり、カミュとミロが氷河について色々お話している様子の描かれた作品が大好きなのですが、今回はカミュのだんまりバージョン。
だって、カミュはアイザックを後継者に、氷河をお嫁さんにする予定だったでしょう??
大事な人のことは、だ~れにも話さないカミュ先生。
で、天蠍宮で、氷河をみてびっくりするミロさん。
見た目も、素質も、根性も超一級!!
そりゃそうか、カミュが育てたんだもんなぁ・・・。
そんなのが隠れテーマでした。
昨夜は天蠍宮の戦いを読み返しながら、0時を迎えました。
大好き大好きミロさん。
誕生日に合わせて何か書けるくらいなら、もうとっくに何か書いてるさ・・・とふてくされつつ、書きかけていた話を何とか最後までまとめてみました。
氷河の修業時代に、ミロさんが遊びに来ていたり、カミュとミロが氷河について色々お話している様子の描かれた作品が大好きなのですが、今回はカミュのだんまりバージョン。
だって、カミュはアイザックを後継者に、氷河をお嫁さんにする予定だったでしょう??
大事な人のことは、だ~れにも話さないカミュ先生。
で、天蠍宮で、氷河をみてびっくりするミロさん。
見た目も、素質も、根性も超一級!!
そりゃそうか、カミュが育てたんだもんなぁ・・・。
そんなのが隠れテーマでした。
二つの小宇宙が、ぶつかり合ってはじけて消えた。
そうなることは、わかっていた。
わかっていたのに、止めることはできなかった。
13年もの間聖域で暗くくすぶっていたものが、この一日で一気に吐き出され、ぶつかり、砕け、浄化された。
その激流の中に、ミロは立っていた。
やがて波が引くように互いの小宇宙が静まり、目を覚ました女神の小宇宙で満たされてゆく。
初めて感じるのに、どこか懐かしい、安らぎに満ちた小宇宙だった。
しかし、とミロは神殿へと続くはるかな階段を見上げた。
失ったものもまた、あまりにも大きい。
自分を命がけで助けてくれた少年たちのもとへ、女神が駆けていく。
その背中を見送ってから、ミロもまた階段を上った。
今だけは。
悲しむことも許される。
怒ることも。
宝瓶宮は、静かに冷気を発していた。
近寄るだけで、皮膚が張りつめ、息が詰まる。
「あの馬鹿・・・。」
そう呟いて、ミロは階段を上りつづけた。
あのとき。
氷河たちの抹殺指令をアイオリアが受けたあと、その足でミロは宝瓶宮に立ち寄った。
「氷河、と、言わなかったか? お前の弟子。抹殺しろと言われたが、どういうことなのか話を聞かせろ。」
私室で何かを片付けていたカミュは、振り返りもせずに言った。
「お前が行くのか?」
「いや、アイオリアが。」
「なんだ、お前が行くのなら、代わってもらおうかと思ったのに。アイオリアなら、そうもいくまいな。」
「自分一人で十分だと言っていた。奴にも色々あるからな、容赦しないだろう。」
「・・・ならば仕方ない。」
一切の感情を伺わせない友の態度に、ミロは苛立った。
こんな返事だけで引き下がりはしないことを示すために、テーブルの椅子を引き寄せて腰を掛ける。
「アイザックについてはよく話をしたお前が、氷河については何も語らなかった。白鳥座の本命はアイザック。氷河については、身を守る術くらいは教えてやりたいと、そう言ってなかったか?」
「よく覚えているな。」
「身を守るだと? 氷河を含む青銅5人に白銀10人が倒された。・・・お前、自分の立場をわかっているのか?」
「6年がかりで反逆者を育てた男・・・というところか?」
憮然とするミロの前を、立ち上がったカミュが横切った。
やがてカップを二つ手にして戻ってくると、そのうちの一つをミロに差し出した。
「兄弟子のアイザックを事故で亡くしたので、氷河を鍛えて白鳥座の聖闘士に仕上げた。教皇の指示に従い、私闘を演じる青銅聖闘士達の抹殺に向かわせた。だが、その命に背いた。・・・私が知っているのもそれだけだ。」
目を伏せてコーヒーを口にするカミュの元へ、ミロは近づいた。
「氷河というのはどういう男だ? それは本当に、女神への反逆か?」
射るようにカミュを見据えたまま、ミロは低い声で尋ねた。
その視線を、カミュは真正面から受け止めた。
だが、やがて窓の方へと視線を転じた。
「反逆などと、おそらくはそんな自覚もない。」
その瞳に初めて、口惜しさが滲んだ。
「だが、無用に人を傷つけるようなことはしない男だ。
・・・・・・近いうち、シベリアに行ってくる。ひとつ、やり残したことがあるのでな。」
カミュは拳を口元にあてると、わずかに歯をたてた。
理不尽さに突き当たったときに見せるその仕草を、ミロは幼い頃から知っていた。
本当のことを言えば、ほんの少し期待していたのだ。
聖衣を授かった若い弟子を従えて、友が誇らしげに自分の前に現れる日のことを。
それは本当に叶わぬ願いだったのか。
初めて対峙した氷河は、もう、決断を下したあとだった。
そうと決めたものを、氷河は決して手放さなかった。
そして、その白い翼は、間違いなくカミュの授けたものだ。
あいつが、手など抜くはずがないのだ。
兄弟子がいようと、青銅聖闘士だろうと。
そして氷河は、それについてきたのだ。
繰り出される拳は、粗削りだがカミュとよく似ていた。
間合いをとる姿勢やわずかな身のかわし方も。
雪を思わせる真っ白な小宇宙は、拳を交えるたび、輝きを増した。
吐く息も凍るほどの凍気の中を、ミロは歩いて行った。
あたりは一面、白く輝いている。
カミュと氷河は、互いに手を伸ばすように倒れていた。
カミュは口元に、わずかな笑みを浮かべている。
「馬鹿・・・。」
マントを外すと、ミロは友の亡骸にかぶせた。
と、そのとき。
背後からわずかに小宇宙を感じた。
振り返ると、少年の傷だらけの手が、わずかに動いた。
「・・・生きてる・・・!」
生きてる!
あいつの、大切な・・・!
ミロは、氷河を抱き寄せると、確かな鼓動に耳を寄せた。
そうなることは、わかっていた。
わかっていたのに、止めることはできなかった。
13年もの間聖域で暗くくすぶっていたものが、この一日で一気に吐き出され、ぶつかり、砕け、浄化された。
その激流の中に、ミロは立っていた。
やがて波が引くように互いの小宇宙が静まり、目を覚ました女神の小宇宙で満たされてゆく。
初めて感じるのに、どこか懐かしい、安らぎに満ちた小宇宙だった。
しかし、とミロは神殿へと続くはるかな階段を見上げた。
失ったものもまた、あまりにも大きい。
自分を命がけで助けてくれた少年たちのもとへ、女神が駆けていく。
その背中を見送ってから、ミロもまた階段を上った。
今だけは。
悲しむことも許される。
怒ることも。
宝瓶宮は、静かに冷気を発していた。
近寄るだけで、皮膚が張りつめ、息が詰まる。
「あの馬鹿・・・。」
そう呟いて、ミロは階段を上りつづけた。
あのとき。
氷河たちの抹殺指令をアイオリアが受けたあと、その足でミロは宝瓶宮に立ち寄った。
「氷河、と、言わなかったか? お前の弟子。抹殺しろと言われたが、どういうことなのか話を聞かせろ。」
私室で何かを片付けていたカミュは、振り返りもせずに言った。
「お前が行くのか?」
「いや、アイオリアが。」
「なんだ、お前が行くのなら、代わってもらおうかと思ったのに。アイオリアなら、そうもいくまいな。」
「自分一人で十分だと言っていた。奴にも色々あるからな、容赦しないだろう。」
「・・・ならば仕方ない。」
一切の感情を伺わせない友の態度に、ミロは苛立った。
こんな返事だけで引き下がりはしないことを示すために、テーブルの椅子を引き寄せて腰を掛ける。
「アイザックについてはよく話をしたお前が、氷河については何も語らなかった。白鳥座の本命はアイザック。氷河については、身を守る術くらいは教えてやりたいと、そう言ってなかったか?」
「よく覚えているな。」
「身を守るだと? 氷河を含む青銅5人に白銀10人が倒された。・・・お前、自分の立場をわかっているのか?」
「6年がかりで反逆者を育てた男・・・というところか?」
憮然とするミロの前を、立ち上がったカミュが横切った。
やがてカップを二つ手にして戻ってくると、そのうちの一つをミロに差し出した。
「兄弟子のアイザックを事故で亡くしたので、氷河を鍛えて白鳥座の聖闘士に仕上げた。教皇の指示に従い、私闘を演じる青銅聖闘士達の抹殺に向かわせた。だが、その命に背いた。・・・私が知っているのもそれだけだ。」
目を伏せてコーヒーを口にするカミュの元へ、ミロは近づいた。
「氷河というのはどういう男だ? それは本当に、女神への反逆か?」
射るようにカミュを見据えたまま、ミロは低い声で尋ねた。
その視線を、カミュは真正面から受け止めた。
だが、やがて窓の方へと視線を転じた。
「反逆などと、おそらくはそんな自覚もない。」
その瞳に初めて、口惜しさが滲んだ。
「だが、無用に人を傷つけるようなことはしない男だ。
・・・・・・近いうち、シベリアに行ってくる。ひとつ、やり残したことがあるのでな。」
カミュは拳を口元にあてると、わずかに歯をたてた。
理不尽さに突き当たったときに見せるその仕草を、ミロは幼い頃から知っていた。
本当のことを言えば、ほんの少し期待していたのだ。
聖衣を授かった若い弟子を従えて、友が誇らしげに自分の前に現れる日のことを。
それは本当に叶わぬ願いだったのか。
初めて対峙した氷河は、もう、決断を下したあとだった。
そうと決めたものを、氷河は決して手放さなかった。
そして、その白い翼は、間違いなくカミュの授けたものだ。
あいつが、手など抜くはずがないのだ。
兄弟子がいようと、青銅聖闘士だろうと。
そして氷河は、それについてきたのだ。
繰り出される拳は、粗削りだがカミュとよく似ていた。
間合いをとる姿勢やわずかな身のかわし方も。
雪を思わせる真っ白な小宇宙は、拳を交えるたび、輝きを増した。
吐く息も凍るほどの凍気の中を、ミロは歩いて行った。
あたりは一面、白く輝いている。
カミュと氷河は、互いに手を伸ばすように倒れていた。
カミュは口元に、わずかな笑みを浮かべている。
「馬鹿・・・。」
マントを外すと、ミロは友の亡骸にかぶせた。
と、そのとき。
背後からわずかに小宇宙を感じた。
振り返ると、少年の傷だらけの手が、わずかに動いた。
「・・・生きてる・・・!」
生きてる!
あいつの、大切な・・・!
ミロは、氷河を抱き寄せると、確かな鼓動に耳を寄せた。
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そうなることは、わかっていた。
わかっていたのに、止めることはできなかった。
13年もの間聖域で暗くくすぶっていたものが、この一日で一気に吐き出され、ぶつかり、砕け、浄化された。
その激流の中に、ミロは立っていた。
やがて波が引くように互いの小宇宙が静まり、目を覚ました女神の小宇宙で満たされてゆく。
初めて感じるのに、どこか懐かしい、安らぎに満ちた小宇宙だった。
しかし、とミロは神殿へと続くはるかな階段を見上げた。
失ったものもまた、あまりにも大きい。
自分を命がけで助けてくれた少年たちのもとへ、女神が駆けていく。
その背中を見送ってから、ミロもまた階段を上った。
今だけは。
悲しむことも許される。
怒ることも。
宝瓶宮は、静かに冷気を発していた。
近寄るだけで、皮膚が張りつめ、息が詰まる。
「あの馬鹿・・・。」
そう呟いて、ミロは階段を上りつづけた。
あのとき。
氷河たちの抹殺指令をアイオリアが受けたあと、その足でミロは宝瓶宮に立ち寄った。
「氷河、と、言わなかったか? お前の弟子。抹殺しろと言われたが、どういうことなのか話を聞かせろ。」
私室で何かを片付けていたカミュは、振り返りもせずに言った。
「お前が行くのか?」
「いや、アイオリアが。」
「なんだ、お前が行くのなら、代わってもらおうかと思ったのに。アイオリアなら、そうもいくまいな。」
「自分一人で十分だと言っていた。奴にも色々あるからな、容赦しないだろう。」
「・・・ならば仕方ない。」
一切の感情を伺わせない友の態度に、ミロは苛立った。
こんな返事だけで引き下がりはしないことを示すために、テーブルの椅子を引き寄せて腰を掛ける。
「アイザックについてはよく話をしたお前が、氷河については何も語らなかった。白鳥座の本命はアイザック。氷河については、身を守る術くらいは教えてやりたいと、そう言ってなかったか?」
「よく覚えているな。」
「身を守るだと? 氷河を含む青銅5人に白銀10人が倒された。・・・お前、自分の立場をわかっているのか?」
「6年がかりで反逆者を育てた男・・・というところか?」
憮然とするミロの前を、立ち上がったカミュが横切った。
やがてカップを二つ手にして戻ってくると、そのうちの一つをミロに差し出した。
「兄弟子のアイザックを事故で亡くしたので、氷河を鍛えて白鳥座の聖闘士に仕上げた。教皇の指示に従い、私闘を演じる青銅聖闘士達の抹殺に向かわせた。だが、その命に背いた。・・・私が知っているのもそれだけだ。」
目を伏せてコーヒーを口にするカミュの元へ、ミロは近づいた。
「氷河というのはどういう男だ? それは本当に、女神への反逆か?」
射るようにカミュを見据えたまま、ミロは低い声で尋ねた。
その視線を、カミュは真正面から受け止めた。
だが、やがて窓の方へと視線を転じた。
「反逆などと、おそらくはそんな自覚もない。」
その瞳に初めて、口惜しさが滲んだ。
「だが、無用に人を傷つけるようなことはしない男だ。
・・・・・・近いうち、シベリアに行ってくる。ひとつ、やり残したことがあるのでな。」
カミュは拳を口元にあてると、わずかに歯をたてた。
理不尽さに突き当たったときに見せるその仕草を、ミロは幼い頃から知っていた。
本当のことを言えば、ほんの少し期待していたのだ。
聖衣を授かった若い弟子を従えて、友が誇らしげに自分の前に現れる日のことを。
それは本当に叶わぬ願いだったのか。
初めて対峙した氷河は、もう、決断を下したあとだった。
そうと決めたものを、氷河は決して手放さなかった。
そして、その白い翼は、間違いなくカミュの授けたものだ。
あいつが、手など抜くはずがないのだ。
兄弟子がいようと、青銅聖闘士だろうと。
そして氷河は、それについてきたのだ。
繰り出される拳は、粗削りだがカミュとよく似ていた。
間合いをとる姿勢やわずかな身のかわし方も。
雪を思わせる真っ白な小宇宙は、拳を交えるたび、輝きを増した。
吐く息も凍るほどの凍気の中を、ミロは歩いて行った。
あたりは一面、白く輝いている。
カミュと氷河は、互いに手を伸ばすように倒れていた。
カミュは口元に、わずかな笑みを浮かべている。
「馬鹿・・・。」
マントを外すと、ミロは友の亡骸にかぶせた。
と、そのとき。
背後からわずかに小宇宙を感じた。
振り返ると、少年の傷だらけの手が、わずかに動いた。
「・・・生きてる・・・!」
生きてる!
あいつの、大切な・・・!
ミロは、氷河を抱き寄せると、確かな鼓動に耳を寄せた。
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