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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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氷河さんのお誕生日ですね!!
お誕生日号のちゃんぴおんに期待しましたが、氷河のひの字も出てきませんでした・・・orz
どうしましょう、来週、今シーズン最後だそうです。
ま、それはおいといて。

うぉ~、氷河、生まれてきてくれてありがとう!!
おめでとう~!!
おめでとう~!!

大慌てで書いたSSをUPします。
未来捏造です。
Ωってわけでもないですが、瞬ちゃんは医大生。氷河さんに魔障はなし。兄さんは出てきませんが一氷です。
殴り愛の果てに、やっぱり二人には、ラブラブになっていただきたいです。



拍手[20回]



「こっちはずいぶんと暖かいんだな」
カップに紅茶を注ぐ手を止めて、瞬はふと笑みを漏らした。
さっきTVでは、今日は大寒だと話していた。一年で一番寒い日だというのに、氷河はテラスに腰かけて、のんびりと空を見上げている。沙織さんに着せられたジャケットは脱いで、白いYシャツの袖をめくりあげている。
気温は低いけど、確かにお日様の光は暖かい。
空は北風が、ピカピカに磨き上げたみたいだ。
「勉強は進んでいるか?」
「ん~、まぁ、頑張ってはいるけれど」
闘いが終わって、瞬は医師になることを決めた。
今は城戸邸に身を置く、医大生だ。
医師になって一人でも多くの人を救いたいというのは、無論瞬の願いだ。でもしばらくは日本に身を置いて、世界のあちこちへと飛んでってしまう兄弟達をつなぎたいという思いもある。それは沙織も同じのようで、任務という名目を使っては時折彼らを日本に呼び寄せている。
「いつまでこっちにいられるの?」
「ああ、2、3日は」
沙織の仕事が済んだら、氷河はシベリアに帰ってしまう。雪の中にいると寂しくないと、昔氷河が言うのを聞いたことがある。今は村の人を手伝ったりしているから、あの頃ほどではないんだろう。それでも氷河がシベリアで、一人暮らしているのは寂しいと瞬は思う。
「どうぞ」
「ありがとう」
氷河はカップを両手で持つと、ふうふうと慎重に息を吹きかけてから啜った。
「うまいな」
冬の木立が、空に手を伸ばしている。
「のどかだねぇ」
「ああ」
カップを脇に置いて、ごろりと寝転がる。
柔らかな金色の髪がふわりと広がって、日差しをはじいた。
「一輝から、連絡あるか?」
「え? ああ、うん。2か月前に会ったよ。相変わらず。半日しかいなかったけど」
「どこをふらついているんだか」
「まったく」
こちらの方を見ることなく、空を見上げたままで氷河は言った。
「・・・奴も、幸せになるといい。業だとかなんだとか言ってないで、幸せになればいいんだ」
その言葉に瞬は目を丸くし、小さく笑みを漏らした。
「お日様があったかくて」
「・・・?」
「空が真っ青で美しくて」
「・・・?」
「紅茶が美味しくて」
「・・・?」
「あたりがのんびりと落ち着いていて」
「・・・?」
「それで氷河は、兄さんのこと思い出したんだ?」
上から覗き込むと、氷河は慌てたように身を起こし目を逸らした。
「え?! あっ、そんなんじゃないぞ。瞬はそばにいるし、紫龍は幸せそうだし、星矢だって楽しそうだろ? あいつだけ、あいつだけだって思ったから・・・」
「ま、何とでもいいなよ」
瞬は頬を膨らませると、真っ赤に染まる耳たぶを引っ張った。自分にはそれくらいする権利はあると思う。
「兄さんも、多分おんなじこと思ってるよ。どこで何やってるか知らないけど、船かなんか乗って、潮風に吹かれたりしながら。ああ、氷河も、幸せになればいいって」
そんなことを言うと、すぐに氷河は俯いてしまう。
「俺は、今のままで十分だ」
ああもう、まったく、この人達は!!
あなたたちが失った人たちは、いつだってあなたたちが羽ばたいてゆくことを何よりも願っている筈なのに!!
瞬は隣に腰かけると、ぐいぐいと肩を押し付けた。
「兄さんもおんなじこと言うと思うけど、氷河はあれで十分だと思う?」
「・・・別に・・・、奴がそれでいいというのならそれで・・・」
「さっき、自分でなんて言ったっけ?」
目を泳がせた後、氷河は立ちあがろうとした。逃げ足の速い兄を持つ身だ。うろたえてる氷河を捕まえるなんて、わけもない。
腕を掴んで座らせると、緩んだネクタイに手を掛けてぎゅっと締め上げた。
「それでどうしたら二人が幸せになれるのかって、僕にそこまで言ってほしい?」
氷河は後ろに手をついて上体を支えたまま、呆気にとられたように目を見開いた。野生の小鹿か何かのような、澄んだ瞳に自分のコワイ顔が映っている。瞬は思わず吹き出すと、ネクタイを締め付けていたその手を離した。
「急かすつもりなんてないよ。でもさ、幸せになって欲しいって思うのは、僕も同じ」
それが自分の役目でないことに、少し妬ける。どちらに、というのではないけれど。
視線から目を逸らすのは、瞬の番だった。まだ飲みかけの紅茶のカップを手にして立ち上がる。
「冷めちゃったかな? 入れ替えてくるよ」
リビングへと通じる硝子戸を開けながら、瞬は手を止めた。戸惑いがちに発せられた小さな声が耳に触れたからだ。
「・・・すこし、考えてみる」


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「こっちはずいぶんと暖かいんだな」
カップに紅茶を注ぐ手を止めて、瞬はふと笑みを漏らした。
さっきTVでは、今日は大寒だと話していた。一年で一番寒い日だというのに、氷河はテラスに腰かけて、のんびりと空を見上げている。沙織さんに着せられたジャケットは脱いで、白いYシャツの袖をめくりあげている。
気温は低いけど、確かにお日様の光は暖かい。
空は北風が、ピカピカに磨き上げたみたいだ。
「勉強は進んでいるか?」
「ん~、まぁ、頑張ってはいるけれど」
闘いが終わって、瞬は医師になることを決めた。
今は城戸邸に身を置く、医大生だ。
医師になって一人でも多くの人を救いたいというのは、無論瞬の願いだ。でもしばらくは日本に身を置いて、世界のあちこちへと飛んでってしまう兄弟達をつなぎたいという思いもある。それは沙織も同じのようで、任務という名目を使っては時折彼らを日本に呼び寄せている。
「いつまでこっちにいられるの?」
「ああ、2、3日は」
沙織の仕事が済んだら、氷河はシベリアに帰ってしまう。雪の中にいると寂しくないと、昔氷河が言うのを聞いたことがある。今は村の人を手伝ったりしているから、あの頃ほどではないんだろう。それでも氷河がシベリアで、一人暮らしているのは寂しいと瞬は思う。
「どうぞ」
「ありがとう」
氷河はカップを両手で持つと、ふうふうと慎重に息を吹きかけてから啜った。
「うまいな」
冬の木立が、空に手を伸ばしている。
「のどかだねぇ」
「ああ」
カップを脇に置いて、ごろりと寝転がる。
柔らかな金色の髪がふわりと広がって、日差しをはじいた。
「一輝から、連絡あるか?」
「え? ああ、うん。2か月前に会ったよ。相変わらず。半日しかいなかったけど」
「どこをふらついているんだか」
「まったく」
こちらの方を見ることなく、空を見上げたままで氷河は言った。
「・・・奴も、幸せになるといい。業だとかなんだとか言ってないで、幸せになればいいんだ」
その言葉に瞬は目を丸くし、小さく笑みを漏らした。
「お日様があったかくて」
「・・・?」
「空が真っ青で美しくて」
「・・・?」
「紅茶が美味しくて」
「・・・?」
「あたりがのんびりと落ち着いていて」
「・・・?」
「それで氷河は、兄さんのこと思い出したんだ?」
上から覗き込むと、氷河は慌てたように身を起こし目を逸らした。
「え?! あっ、そんなんじゃないぞ。瞬はそばにいるし、紫龍は幸せそうだし、星矢だって楽しそうだろ? あいつだけ、あいつだけだって思ったから・・・」
「ま、何とでもいいなよ」
瞬は頬を膨らませると、真っ赤に染まる耳たぶを引っ張った。自分にはそれくらいする権利はあると思う。
「兄さんも、多分おんなじこと思ってるよ。どこで何やってるか知らないけど、船かなんか乗って、潮風に吹かれたりしながら。ああ、氷河も、幸せになればいいって」
そんなことを言うと、すぐに氷河は俯いてしまう。
「俺は、今のままで十分だ」
ああもう、まったく、この人達は!!
あなたたちが失った人たちは、いつだってあなたたちが羽ばたいてゆくことを何よりも願っている筈なのに!!
瞬は隣に腰かけると、ぐいぐいと肩を押し付けた。
「兄さんもおんなじこと言うと思うけど、氷河はあれで十分だと思う?」
「・・・別に・・・、奴がそれでいいというのならそれで・・・」
「さっき、自分でなんて言ったっけ?」
目を泳がせた後、氷河は立ちあがろうとした。逃げ足の速い兄を持つ身だ。うろたえてる氷河を捕まえるなんて、わけもない。
腕を掴んで座らせると、緩んだネクタイに手を掛けてぎゅっと締め上げた。
「それでどうしたら二人が幸せになれるのかって、僕にそこまで言ってほしい?」
氷河は後ろに手をついて上体を支えたまま、呆気にとられたように目を見開いた。野生の小鹿か何かのような、澄んだ瞳に自分のコワイ顔が映っている。瞬は思わず吹き出すと、ネクタイを締め付けていたその手を離した。
「急かすつもりなんてないよ。でもさ、幸せになって欲しいって思うのは、僕も同じ」
それが自分の役目でないことに、少し妬ける。どちらに、というのではないけれど。
視線から目を逸らすのは、瞬の番だった。まだ飲みかけの紅茶のカップを手にして立ち上がる。
「冷めちゃったかな? 入れ替えてくるよ」
リビングへと通じる硝子戸を開けながら、瞬は手を止めた。戸惑いがちに発せられた小さな声が耳に触れたからだ。
「・・・すこし、考えてみる」


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