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ざっくん、お誕生日おめでとう~!!!
ずっととらえどころのなかった君ですが、日を追うごとに大好きになってゆきます。
氷河誕の時のSSの続きです。
タイトル修羅場でしたが、いくらなんでもあれなので『向日葵』に変えました。
なんで2月に向日葵??
いえ、大大大好きな人の歌に「向/日/葵/は/ゆ-れ-る-ま-ま」という作品がありまして。
なにげに私の中のざっくんソングであります。
歌詞とか載せるのもあれなのでやめておきますが、本当にざっくんソングなんですよぉ~。
(ちなみにミロ氷ソングは、懐かしのセカ〇ド・ラブでございます。こいも にどめなら~です)
ずっととらえどころのなかった君ですが、日を追うごとに大好きになってゆきます。
氷河誕の時のSSの続きです。
タイトル修羅場でしたが、いくらなんでもあれなので『向日葵』に変えました。
なんで2月に向日葵??
いえ、大大大好きな人の歌に「向/日/葵/は/ゆ-れ-る-ま-ま」という作品がありまして。
なにげに私の中のざっくんソングであります。
歌詞とか載せるのもあれなのでやめておきますが、本当にざっくんソングなんですよぉ~。
(ちなみにミロ氷ソングは、懐かしのセカ〇ド・ラブでございます。こいも にどめなら~です)
向日葵
「馬鹿だな」
そいつが放った言葉は、むろん俺にも聞こえた。
「何だよ、会うなり・・・?」
そう言ったときの氷河の声は屈託のないものだったが、一輝という男の瞳は一言では言い表せぬほど多くのものを語っていた。そのことを氷河も感じ取ったんだろう。
「夕方、少し時間をくれ」
ずい分と大人びた口調でそう言った。
一輝は黙ったまま上へ行き、俺たちは市場へ向かうため下へと向かった。
「お好み焼き」
「ん?」
「お好み焼きという料理があるんだ。日本に。小麦粉に、キャベツや肉や魚介を入れて焼いて食べる」
「へぇ」
「日本で瞬に、アンドロメダの聖闘士なんだが・・・瞬に習って焼いてみたから上手に焼ける。ちゃんとソースも日本から持ってきたんだぞ」
少し俯いたまま、氷河は言った。
さっき、思い出してしまった俺たちの間にある傷口を、埋めようとするような話し方だった。
「うまいのか? それ?」
からかうように言うと、ようやく顔をあげた。
「うまい。俺も食べたのは最近なんだが、びっくりするほどうまい。だから今日は俺がそれを作る」
「わかった。びっくりするほどうまいんだな?」
「うむ。多分、びっくりする・・・」
少し自信なさげな声に、思わず吹き出してしまう。
「なんだよ。上手に焼けるって言ったくせに」
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
どこまでも続いてゆきそうなそんな会話を、俺たちは数えきれないほど交わしてきたはずなのに、それは突然途絶え、深い深い孤独に浸された。
それでもこうして再びめぐりあえば、俺たちはまた、同じような会話を続けられる。幼い頃の記憶は繋がっていて、何かをしたり話したりするたびとめどなくあふれ出す。どんなふうにからかったら、氷河が口をとがらせるのか、そんなことだって手に取るようにわかる。あのときだってそうだ。氷河がどんな顔をして泣くのか、俺にはわかった。
俺たちの間にどれだけのものが横たわっているかなんて、さっきのあの男に指摘されるまでもなく、俺たちだってわかっている。目を背けているわけじゃない。たわいもない会話がどれだけ愛しいものか、苦しくなるほど知っているからだ。
「アンドロメダって、イオと闘った奴だろ? 南太平洋の」
「ああ」
傷口に、そっと触れる。
大丈夫。
それは、いつか痛くなくなる。
「イオに勝つなんて相当な実力者だろうが、料理も上手いのか?」
蒼い瞳が一瞬大きく見開かれて、それからうれしそうに笑った。
「上手いぞ。瞬は器用なんだ。デザート作りだって相当な腕前だし、ちゃんとそれぞれが好きな味に合わせてくれる」
「ふーん」
「さっきの一輝が、瞬の兄貴だ」
「ああ」
「不死鳥だ」
「あれがか」
「カーサもな、ああ見えて料理がうまい」
「そうか・・・」
氷河は足元を見つめながら、ずいぶん低い声で言った。
「そんな顔すんなよ」
「だってな、こっぴどく負けたんだ」
「相変わらず駄目か、ああいうの?」
「うん・・・、反省した・・・」
「あの人、お前にも化けたことあるぞ」
「え?」
「俺の誕生日に、お前の格好で手料理作ってきた」
目を真ん丸にしてこちらをみつめている氷河は、そのことの意味についてはまるで気が付いていないようだった。
「うそだろ?」
「さあな。今度会ったら聞いてみたらいい」
氷河が作った今日の昼飯を、思い出したりする日が来るだろう。
そのとき俺たちは、どこでどうしているのか。
それでも、それが、あったことには変わりがない。
たわいもない日常が、少しずつまた俺たちをつないでいく。
「馬鹿だな」
そいつが放った言葉は、むろん俺にも聞こえた。
「何だよ、会うなり・・・?」
そう言ったときの氷河の声は屈託のないものだったが、一輝という男の瞳は一言では言い表せぬほど多くのものを語っていた。そのことを氷河も感じ取ったんだろう。
「夕方、少し時間をくれ」
ずい分と大人びた口調でそう言った。
一輝は黙ったまま上へ行き、俺たちは市場へ向かうため下へと向かった。
「お好み焼き」
「ん?」
「お好み焼きという料理があるんだ。日本に。小麦粉に、キャベツや肉や魚介を入れて焼いて食べる」
「へぇ」
「日本で瞬に、アンドロメダの聖闘士なんだが・・・瞬に習って焼いてみたから上手に焼ける。ちゃんとソースも日本から持ってきたんだぞ」
少し俯いたまま、氷河は言った。
さっき、思い出してしまった俺たちの間にある傷口を、埋めようとするような話し方だった。
「うまいのか? それ?」
からかうように言うと、ようやく顔をあげた。
「うまい。俺も食べたのは最近なんだが、びっくりするほどうまい。だから今日は俺がそれを作る」
「わかった。びっくりするほどうまいんだな?」
「うむ。多分、びっくりする・・・」
少し自信なさげな声に、思わず吹き出してしまう。
「なんだよ。上手に焼けるって言ったくせに」
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
どこまでも続いてゆきそうなそんな会話を、俺たちは数えきれないほど交わしてきたはずなのに、それは突然途絶え、深い深い孤独に浸された。
それでもこうして再びめぐりあえば、俺たちはまた、同じような会話を続けられる。幼い頃の記憶は繋がっていて、何かをしたり話したりするたびとめどなくあふれ出す。どんなふうにからかったら、氷河が口をとがらせるのか、そんなことだって手に取るようにわかる。あのときだってそうだ。氷河がどんな顔をして泣くのか、俺にはわかった。
俺たちの間にどれだけのものが横たわっているかなんて、さっきのあの男に指摘されるまでもなく、俺たちだってわかっている。目を背けているわけじゃない。たわいもない会話がどれだけ愛しいものか、苦しくなるほど知っているからだ。
「アンドロメダって、イオと闘った奴だろ? 南太平洋の」
「ああ」
傷口に、そっと触れる。
大丈夫。
それは、いつか痛くなくなる。
「イオに勝つなんて相当な実力者だろうが、料理も上手いのか?」
蒼い瞳が一瞬大きく見開かれて、それからうれしそうに笑った。
「上手いぞ。瞬は器用なんだ。デザート作りだって相当な腕前だし、ちゃんとそれぞれが好きな味に合わせてくれる」
「ふーん」
「さっきの一輝が、瞬の兄貴だ」
「ああ」
「不死鳥だ」
「あれがか」
「カーサもな、ああ見えて料理がうまい」
「そうか・・・」
氷河は足元を見つめながら、ずいぶん低い声で言った。
「そんな顔すんなよ」
「だってな、こっぴどく負けたんだ」
「相変わらず駄目か、ああいうの?」
「うん・・・、反省した・・・」
「あの人、お前にも化けたことあるぞ」
「え?」
「俺の誕生日に、お前の格好で手料理作ってきた」
目を真ん丸にしてこちらをみつめている氷河は、そのことの意味についてはまるで気が付いていないようだった。
「うそだろ?」
「さあな。今度会ったら聞いてみたらいい」
氷河が作った今日の昼飯を、思い出したりする日が来るだろう。
そのとき俺たちは、どこでどうしているのか。
それでも、それが、あったことには変わりがない。
たわいもない日常が、少しずつまた俺たちをつないでいく。
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「馬鹿だな」
そいつが放った言葉は、むろん俺にも聞こえた。
「何だよ、会うなり・・・?」
そう言ったときの氷河の声は屈託のないものだったが、一輝という男の瞳は一言では言い表せぬほど多くのものを語っていた。そのことを氷河も感じ取ったんだろう。
「夕方、少し時間をくれ」
ずい分と大人びた口調でそう言った。
一輝は黙ったまま上へ行き、俺たちは市場へ向かうため下へと向かった。
「お好み焼き」
「ん?」
「お好み焼きという料理があるんだ。日本に。小麦粉に、キャベツや肉や魚介を入れて焼いて食べる」
「へぇ」
「日本で瞬に、アンドロメダの聖闘士なんだが・・・瞬に習って焼いてみたから上手に焼ける。ちゃんとソースも日本から持ってきたんだぞ」
少し俯いたまま、氷河は言った。
さっき、思い出してしまった俺たちの間にある傷口を、埋めようとするような話し方だった。
「うまいのか? それ?」
からかうように言うと、ようやく顔をあげた。
「うまい。俺も食べたのは最近なんだが、びっくりするほどうまい。だから今日は俺がそれを作る」
「わかった。びっくりするほどうまいんだな?」
「うむ。多分、びっくりする・・・」
少し自信なさげな声に、思わず吹き出してしまう。
「なんだよ。上手に焼けるって言ったくせに」
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
昼飯の話。
夕飯の話。
朝飯の話。
どこまでも続いてゆきそうなそんな会話を、俺たちは数えきれないほど交わしてきたはずなのに、それは突然途絶え、深い深い孤独に浸された。
それでもこうして再びめぐりあえば、俺たちはまた、同じような会話を続けられる。幼い頃の記憶は繋がっていて、何かをしたり話したりするたびとめどなくあふれ出す。どんなふうにからかったら、氷河が口をとがらせるのか、そんなことだって手に取るようにわかる。あのときだってそうだ。氷河がどんな顔をして泣くのか、俺にはわかった。
俺たちの間にどれだけのものが横たわっているかなんて、さっきのあの男に指摘されるまでもなく、俺たちだってわかっている。目を背けているわけじゃない。たわいもない会話がどれだけ愛しいものか、苦しくなるほど知っているからだ。
「アンドロメダって、イオと闘った奴だろ? 南太平洋の」
「ああ」
傷口に、そっと触れる。
大丈夫。
それは、いつか痛くなくなる。
「イオに勝つなんて相当な実力者だろうが、料理も上手いのか?」
蒼い瞳が一瞬大きく見開かれて、それからうれしそうに笑った。
「上手いぞ。瞬は器用なんだ。デザート作りだって相当な腕前だし、ちゃんとそれぞれが好きな味に合わせてくれる」
「ふーん」
「さっきの一輝が、瞬の兄貴だ」
「ああ」
「不死鳥だ」
「あれがか」
「カーサもな、ああ見えて料理がうまい」
「そうか・・・」
氷河は足元を見つめながら、ずいぶん低い声で言った。
「そんな顔すんなよ」
「だってな、こっぴどく負けたんだ」
「相変わらず駄目か、ああいうの?」
「うん・・・、反省した・・・」
「あの人、お前にも化けたことあるぞ」
「え?」
「俺の誕生日に、お前の格好で手料理作ってきた」
目を真ん丸にしてこちらをみつめている氷河は、そのことの意味についてはまるで気が付いていないようだった。
「うそだろ?」
「さあな。今度会ったら聞いてみたらいい」
氷河が作った今日の昼飯を、思い出したりする日が来るだろう。
そのとき俺たちは、どこでどうしているのか。
それでも、それが、あったことには変わりがない。
たわいもない日常が、少しずつまた俺たちをつないでいく。
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