忍者ブログ
☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


内職の締め切りが12日。
13日から15日が里帰り。
うう・・・、一輝誕・・・。

昨日は、ショッピングモールに出かけたのですが、ペットショップでじゃれあう仔犬すら一・氷に見えました。
がぶがぶ甘噛みしていてかわいかったです。

本当はもっとお誕生日らしい話をあげたかったのですが、多分間に合いそうにないので、子氷河と子一輝の話を・・・。

兄さん、誕生日らしい話が書けなくてごめんね~。


拍手[14回]




頬を流れている血を、そっと何かが拭った。
目を開くと、誰かが心配そうな顔で覗き込んでいる。
瞬?
違う。
この蒼い瞳は、他の誰でもない。
氷河だ。
 
「どうやって入ってきた?」
辰巳達に散々殴られた身体を起こそうとすると、途端に激痛が走った。
諦めて一輝は、身を床に横たえる。
氷河は小さなハンカチで頬の血を拭うと、血と汗で額に張り付いた一輝の髪をそっと取り除けた。
 
「今、夜だから、みんな寝てる。」
「そうか。」
 
瞬はもう、バスに乗って行ってしまった。
地獄だという、アンドロメダ島へ。
生まれてからずっとそばにあった、柔らかくて小さな存在が、奪われてしまったということが信じられない。
その喪失を埋めるように、蒼くて丸い瞳が一輝を覗き込んでいる。
 
「瞬は、大丈夫。強いから。」
「そう思うか?」
こくんと小さな頭が頷く。
「あんなに、泣き虫で、小さいのに?」
そういうと、氷河は小さく笑った。
「強い。」
 
「お前は、いつ行くんだ?」
「明日。」
「どこへ?」
「シベリア。」
 
それがどんな場所かなんて、一輝にはよくわからない。
ただ決意を秘めた瞳のみつめる先だけが、その場所の遠さを示しているようだった。
 
「俺、セイントになる。あいつのためじゃなくて、ママのために。」
「・・・・・・」
「あいつのためじゃない。」
 
氷河の手が、血の付いたハンカチをギュッと握りしめた。
 
「俺もだ。強くなって、もうあいつらの好きにはさせない。」
「うん。」
 
一輝のそばにいると不思議に安心する。
それは何故だろうと、氷河は一輝の黒い瞳をみつめた。
瞬のように守られたいとは思わない。
けれども瞬のように。
強い絆を持ちえたらと、少し思う。
一輝の知らない、俺たちの絆を、一輝が知ったならと。
 
「一輝・・・。」
 
「何だ?」
 
俺だってお前の・・・。
喉まで出かかった言葉を、氷河は飲み込んだ。
 
「・・・・なんでもない。・・・お前達と、会えてよかった。」
 
多分それだけが、日本での日々の救いだった。
 
「死ぬなよ。」
 
「うん。一輝も。」
 
遠く、足音が聞こえた。
早く行けと目だけで促すと、氷河は立ち上がった。
ドアの前で振り返る。
 
「さよなら。」
 
もう会えないなんて、いやだな。
そう思って一輝は言った。
 
「またな。」
PR


追記を閉じる▲



頬を流れている血を、そっと何かが拭った。
目を開くと、誰かが心配そうな顔で覗き込んでいる。
瞬?
違う。
この蒼い瞳は、他の誰でもない。
氷河だ。
 
「どうやって入ってきた?」
辰巳達に散々殴られた身体を起こそうとすると、途端に激痛が走った。
諦めて一輝は、身を床に横たえる。
氷河は小さなハンカチで頬の血を拭うと、血と汗で額に張り付いた一輝の髪をそっと取り除けた。
 
「今、夜だから、みんな寝てる。」
「そうか。」
 
瞬はもう、バスに乗って行ってしまった。
地獄だという、アンドロメダ島へ。
生まれてからずっとそばにあった、柔らかくて小さな存在が、奪われてしまったということが信じられない。
その喪失を埋めるように、蒼くて丸い瞳が一輝を覗き込んでいる。
 
「瞬は、大丈夫。強いから。」
「そう思うか?」
こくんと小さな頭が頷く。
「あんなに、泣き虫で、小さいのに?」
そういうと、氷河は小さく笑った。
「強い。」
 
「お前は、いつ行くんだ?」
「明日。」
「どこへ?」
「シベリア。」
 
それがどんな場所かなんて、一輝にはよくわからない。
ただ決意を秘めた瞳のみつめる先だけが、その場所の遠さを示しているようだった。
 
「俺、セイントになる。あいつのためじゃなくて、ママのために。」
「・・・・・・」
「あいつのためじゃない。」
 
氷河の手が、血の付いたハンカチをギュッと握りしめた。
 
「俺もだ。強くなって、もうあいつらの好きにはさせない。」
「うん。」
 
一輝のそばにいると不思議に安心する。
それは何故だろうと、氷河は一輝の黒い瞳をみつめた。
瞬のように守られたいとは思わない。
けれども瞬のように。
強い絆を持ちえたらと、少し思う。
一輝の知らない、俺たちの絆を、一輝が知ったならと。
 
「一輝・・・。」
 
「何だ?」
 
俺だってお前の・・・。
喉まで出かかった言葉を、氷河は飲み込んだ。
 
「・・・・なんでもない。・・・お前達と、会えてよかった。」
 
多分それだけが、日本での日々の救いだった。
 
「死ぬなよ。」
 
「うん。一輝も。」
 
遠く、足音が聞こえた。
早く行けと目だけで促すと、氷河は立ち上がった。
ドアの前で振り返る。
 
「さよなら。」
 
もう会えないなんて、いやだな。
そう思って一輝は言った。
 
「またな。」
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック