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そう言えばかつては、CP色が強い小話には断りを入れていました。
キスシーンを書くのにだって、どきどき手が震えたものです(いい年して)。
なのにじわじわ、桃色が強くなってきたような。
下記のお話は、明らかに一線超えています。
直接的には書いておりませんが。
一・氷前提の、一・ミッドガルド・・・みたいな。
苦手な方は、速攻避難です~!!!
お好きな方は、脳内補完プリーズです!!!
というよりも。
その脳内補完を、私めにください・・・。
キスシーンを書くのにだって、どきどき手が震えたものです(いい年して)。
なのにじわじわ、桃色が強くなってきたような。
下記のお話は、明らかに一線超えています。
直接的には書いておりませんが。
一・氷前提の、一・ミッドガルド・・・みたいな。
苦手な方は、速攻避難です~!!!
お好きな方は、脳内補完プリーズです!!!
というよりも。
その脳内補完を、私めにください・・・。
目を覚ますと氷河は、そこに自分そっくりの少年が立っていることに気が付いた。
ああ、まだ夢の続きか。
少年は口の端をあげ、不敵な笑みを浮かべている。
氷河の顔を、興味深げに眺めまわしたのち、背を向けて部屋を出ようとする。
そんななりでどこに行くつもりだ?
白のタンクトップにハーフパンツ。靴は履いていない。
このまま行かせては駄目だ。と、氷河は思った。
何故なら己とそっくりな顔をしたこの少年は、名を、ミッドガルド、というのだから。
「待て。」
「・・・・・・」
「どこへ行くつもりだ?」
「お前が昨日、楽しんできた場所だ。」
「た、楽しんでなんて・・・!」
ミッドガルドは首を傾げると、きまり悪そうに顔を赤く染める氷河の顔を覗き込んだ。
「欲しいものを欲しいとも言わずに自分一人いい思いしやがって。あんまり腹が立つから躰を貰った。これなら俺もあいつと楽しめる。」
「待て!!それはやめろ。あいつとはそんなんじゃない。な? わかるだろ?」
「どんなんでもいいんだよ。お前だって覚えているだろう? ドルバル様に捕えられたときのことを。それを今から叶えに行く。」
「・・・・・・!!」
「言っとくが、これは夢なんかじゃない。現実だ。」
「待て。他に策は・・・。」
「ない。」
ミッドガルドは一瞬にして姿を消した。
ベッドに腰掛けていた氷河は、着ていたTシャツはそのまま、慌ててズボンだけ履くとその後を追った。
ドアに、鍵がかかっている。
構わずノブを回すと、氷河は扉を力任せにひいた。
な、な、な、何やってる―――――――!!!
昨夜の気配が色濃く残る部屋。
裸のまま横たわる一輝の上に、ミッドガルドが跨っている。
ミッドガルドの方は、かろうじてまだ、服は着ている。
唇は合わさったままだが。
「くそっ! どいつもこいつもっ!」
氷河は全身から凍気を放出すると、ミッドガルドの手をひいて走り去った。
階段下のガレージ。
人目につかない一角に、氷河はミッドガルドを連れてゆき壁際に立たせた。
「・・・お前の気持ちもわからないではない。だが、あいつを巻き込むのはやめてくれ。」
「どうしてだ? あいつだって嬉しそうだった。」
「あれは何だって、喜ぶんだ。そういう奴だ。」
「だったら、俺も楽しみたい。それの何が悪い。」
「そんな自堕落なのは・・・俺は、嫌だ・・・。」
「つまらんプライドだな。昨夜はあんなに啼いてたくせに。」
「それはあいつが・・・!」
「なんでもあいつのせいだな。俺なら、もっと楽しめる。もっとあいつを夢中にすることも出来る。・・・お前が消えたらどうだ? その方があいつも喜ぶ。」
「・・・俺は、女神の聖闘士だ。お前を野放しにするわけにはいかない。」
「すり替えるなよ。話を。誰も女神を狙うなんて言ってない。」
「お前は、普通じゃない。ドルバルの洗脳で生まれたんだ。だからそうやって・・・すぐ・・欲しがる。」
「ドルバル様は、お前の本心を引き出しただけだ。無から生まれたわけじゃない。すべてはお前の内にあったもの・・・。」
「うるさいっ!」
声を荒げて言葉を塞いだ。
だったら、仲間を傷つけたのも、俺の本心だとでも言うのか。
「・・・力づくで消すしかないようだな。」
氷河が構えると、ミッドガルドがニヤリと笑った。
「俺の身体はお前の身体だ。・・・試してみるか?」
ミッドガルドが自分の小指を、口に含んで噛んだ。
途端に鋭い痛みが、氷河の小指に走る。
「・・・そういうことだ。女神のために相打ちというなら、ことによるとお前の気に入るかもしれんが、男の取り合いとあっては我が師に向ける顔がないな。」
「それで、お前は何が望みだ?」
低い声が響く。
「ちっ」と舌打ちする氷河の横をすり抜けて、ミッドガルドが走り寄ってゆく。
一輝の首に両手をまわして、誘うようにみつめ、耳元で何か囁く。
「フッ・・」と一輝が笑みをこぼす。
その笑みは了承の意だったようで、そのままミッドガルドを抱き上げた。
蒼い瞳がこちらを振り返る。
「仲間に入りたい?」
「誰がっ!!」
「本当にいいのか?」
「馬鹿一輝っ!!」
鉄製のドアが、凍りつく。
二人の姿はその向こうに消えた。
「お前だって覚えてるだろう? ドルバル様に捕えられたときのことを。それを今から叶えに行く。」
それが叶えば多分。
ミッドガルドはいなくなる。
そうは思っても腹が立つ。
くそっ!!
腹が立つことがあまりにも多すぎて、何に怒っているのか自分でもよくわからない。
考えないのが一番だ。
好き者同士、勝手にやってくれ。
俺は一人、海でも見て心を鎮めよう。
そう思って歩き始めた、氷河の躰を、甘い電流が走った。
さっきのことを思い出す。
ミッドガルドが小指を噛むと、何もしていない氷河の小指が痛んだ。
くっそぉぉぉぉぉ~!!!
城戸邸の自分の部屋まで、まともに歩ける自信がない。
氷河は非常階段下の空き地に身を潜めた。
ここならば人目につかないことを、一輝に教えられて知っている。
重い鉄のドアを閉めると、むき出しのコンクリートの上に座り込んだ。
片腕で自分の躰を抱きしめると、もう一方の拳を口に当てて噛んだ。
どのくらいそうしていたのかわからない。
ビルに遮られたそこは、普段でも日の光が射さない。
だから今が何時なのか、どれだけの時間が経ったのかもわからなかった。
「氷河」と頭の中に声が聴こえた。
「どんなときでも、お前は俺のものだ。」
氷河は、拳をようやく外して膝に頭を乗せた。
俺は、俺のものだ、馬鹿一輝・・・。
とはいえ、これで、きっとミッドガルドは消えただろう。
どんなときでも。
俺が、嫌悪したその躰を、お前は嫌わなかった。
鉄製の階段を降りてくる音がする。
立ち上がりかけた氷河は、諦めてそこに座りなおした。
「ここは暑いな。汗かいたろう。」
明らかに、その目が笑っている。
「幸い着替えも部屋に置いてある。」
一輝に抱き上げられて、氷河は目を逸らした。
甘えるように巻きつけた腕を、ぎゅっときつくしたミッドガルドを思い出す。
できるか。そんなこと。
「・・・・・・恩に着る。」
Tシャツを握りしめて、絞り出すようにそれだけ言った。
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目を覚ますと氷河は、そこに自分そっくりの少年が立っていることに気が付いた。
ああ、まだ夢の続きか。
少年は口の端をあげ、不敵な笑みを浮かべている。
氷河の顔を、興味深げに眺めまわしたのち、背を向けて部屋を出ようとする。
そんななりでどこに行くつもりだ?
白のタンクトップにハーフパンツ。靴は履いていない。
このまま行かせては駄目だ。と、氷河は思った。
何故なら己とそっくりな顔をしたこの少年は、名を、ミッドガルド、というのだから。
「待て。」
「・・・・・・」
「どこへ行くつもりだ?」
「お前が昨日、楽しんできた場所だ。」
「た、楽しんでなんて・・・!」
ミッドガルドは首を傾げると、きまり悪そうに顔を赤く染める氷河の顔を覗き込んだ。
「欲しいものを欲しいとも言わずに自分一人いい思いしやがって。あんまり腹が立つから躰を貰った。これなら俺もあいつと楽しめる。」
「待て!!それはやめろ。あいつとはそんなんじゃない。な? わかるだろ?」
「どんなんでもいいんだよ。お前だって覚えているだろう? ドルバル様に捕えられたときのことを。それを今から叶えに行く。」
「・・・・・・!!」
「言っとくが、これは夢なんかじゃない。現実だ。」
「待て。他に策は・・・。」
「ない。」
ミッドガルドは一瞬にして姿を消した。
ベッドに腰掛けていた氷河は、着ていたTシャツはそのまま、慌ててズボンだけ履くとその後を追った。
ドアに、鍵がかかっている。
構わずノブを回すと、氷河は扉を力任せにひいた。
な、な、な、何やってる―――――――!!!
昨夜の気配が色濃く残る部屋。
裸のまま横たわる一輝の上に、ミッドガルドが跨っている。
ミッドガルドの方は、かろうじてまだ、服は着ている。
唇は合わさったままだが。
「くそっ! どいつもこいつもっ!」
氷河は全身から凍気を放出すると、ミッドガルドの手をひいて走り去った。
階段下のガレージ。
人目につかない一角に、氷河はミッドガルドを連れてゆき壁際に立たせた。
「・・・お前の気持ちもわからないではない。だが、あいつを巻き込むのはやめてくれ。」
「どうしてだ? あいつだって嬉しそうだった。」
「あれは何だって、喜ぶんだ。そういう奴だ。」
「だったら、俺も楽しみたい。それの何が悪い。」
「そんな自堕落なのは・・・俺は、嫌だ・・・。」
「つまらんプライドだな。昨夜はあんなに啼いてたくせに。」
「それはあいつが・・・!」
「なんでもあいつのせいだな。俺なら、もっと楽しめる。もっとあいつを夢中にすることも出来る。・・・お前が消えたらどうだ? その方があいつも喜ぶ。」
「・・・俺は、女神の聖闘士だ。お前を野放しにするわけにはいかない。」
「すり替えるなよ。話を。誰も女神を狙うなんて言ってない。」
「お前は、普通じゃない。ドルバルの洗脳で生まれたんだ。だからそうやって・・・すぐ・・欲しがる。」
「ドルバル様は、お前の本心を引き出しただけだ。無から生まれたわけじゃない。すべてはお前の内にあったもの・・・。」
「うるさいっ!」
声を荒げて言葉を塞いだ。
だったら、仲間を傷つけたのも、俺の本心だとでも言うのか。
「・・・力づくで消すしかないようだな。」
氷河が構えると、ミッドガルドがニヤリと笑った。
「俺の身体はお前の身体だ。・・・試してみるか?」
ミッドガルドが自分の小指を、口に含んで噛んだ。
途端に鋭い痛みが、氷河の小指に走る。
「・・・そういうことだ。女神のために相打ちというなら、ことによるとお前の気に入るかもしれんが、男の取り合いとあっては我が師に向ける顔がないな。」
「それで、お前は何が望みだ?」
低い声が響く。
「ちっ」と舌打ちする氷河の横をすり抜けて、ミッドガルドが走り寄ってゆく。
一輝の首に両手をまわして、誘うようにみつめ、耳元で何か囁く。
「フッ・・」と一輝が笑みをこぼす。
その笑みは了承の意だったようで、そのままミッドガルドを抱き上げた。
蒼い瞳がこちらを振り返る。
「仲間に入りたい?」
「誰がっ!!」
「本当にいいのか?」
「馬鹿一輝っ!!」
鉄製のドアが、凍りつく。
二人の姿はその向こうに消えた。
「お前だって覚えてるだろう? ドルバル様に捕えられたときのことを。それを今から叶えに行く。」
それが叶えば多分。
ミッドガルドはいなくなる。
そうは思っても腹が立つ。
くそっ!!
腹が立つことがあまりにも多すぎて、何に怒っているのか自分でもよくわからない。
考えないのが一番だ。
好き者同士、勝手にやってくれ。
俺は一人、海でも見て心を鎮めよう。
そう思って歩き始めた、氷河の躰を、甘い電流が走った。
さっきのことを思い出す。
ミッドガルドが小指を噛むと、何もしていない氷河の小指が痛んだ。
くっそぉぉぉぉぉ~!!!
城戸邸の自分の部屋まで、まともに歩ける自信がない。
氷河は非常階段下の空き地に身を潜めた。
ここならば人目につかないことを、一輝に教えられて知っている。
重い鉄のドアを閉めると、むき出しのコンクリートの上に座り込んだ。
片腕で自分の躰を抱きしめると、もう一方の拳を口に当てて噛んだ。
どのくらいそうしていたのかわからない。
ビルに遮られたそこは、普段でも日の光が射さない。
だから今が何時なのか、どれだけの時間が経ったのかもわからなかった。
「氷河」と頭の中に声が聴こえた。
「どんなときでも、お前は俺のものだ。」
氷河は、拳をようやく外して膝に頭を乗せた。
俺は、俺のものだ、馬鹿一輝・・・。
とはいえ、これで、きっとミッドガルドは消えただろう。
どんなときでも。
俺が、嫌悪したその躰を、お前は嫌わなかった。
鉄製の階段を降りてくる音がする。
立ち上がりかけた氷河は、諦めてそこに座りなおした。
「ここは暑いな。汗かいたろう。」
明らかに、その目が笑っている。
「幸い着替えも部屋に置いてある。」
一輝に抱き上げられて、氷河は目を逸らした。
甘えるように巻きつけた腕を、ぎゅっときつくしたミッドガルドを思い出す。
できるか。そんなこと。
「・・・・・・恩に着る。」
Tシャツを握りしめて、絞り出すようにそれだけ言った。
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