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こんにちは。
黄金週間。
書きたい気持ちをこらえつつ、現実に身をさらして(?)生きています。
やさぐれ話も書きかけているのですが、なんか全然ツンツンしてないぞ?ってなところでストップ。
休み明けには何とかしあげたいなぁ~と思っています。
休み中話をUPできないので、過去にちょっとあげてひっこめていた話を載せてみます。
以下は当時の文章です。
花をくわえて登場した者同士、アフロディーテ氏と氷河は仲良しだといいなと思っています。
他のサイト様で見つけたこの二人のやり取りは、どの作品も大好き♪
で、自分もあれこれ書いてはいるのですが、どうもまとまらず・・・。
で、もう一人、花の好きそうな男がいたぞ、と。
こんな話を書いてみました。
すみません。
違和感ありありだと思いますが・・・。
黄金週間。
書きたい気持ちをこらえつつ、現実に身をさらして(?)生きています。
やさぐれ話も書きかけているのですが、なんか全然ツンツンしてないぞ?ってなところでストップ。
休み明けには何とかしあげたいなぁ~と思っています。
休み中話をUPできないので、過去にちょっとあげてひっこめていた話を載せてみます。
以下は当時の文章です。
花をくわえて登場した者同士、アフロディーテ氏と氷河は仲良しだといいなと思っています。
他のサイト様で見つけたこの二人のやり取りは、どの作品も大好き♪
で、自分もあれこれ書いてはいるのですが、どうもまとまらず・・・。
で、もう一人、花の好きそうな男がいたぞ、と。
こんな話を書いてみました。
すみません。
違和感ありありだと思いますが・・・。
馥郁とした香が立ち込める中、アフロディーテは薔薇の花を摘んでいた。
新しいつぼみがより美しく花開くように、開きすぎた花を落としてゆく。開きすぎた、といってもまだ鑑賞の余地は十分にある。しかし薔薇園は広大であり、毎日無数に新しい花が咲く。いちいち名残を惜しんでいたのでは、花園を維持することは叶わない。アフロディーテは花の選別に没頭し、慣れた手つきで鋏を入れては無造作に籠に落としていた。
ふと、視線を感じて振り返る。
教皇の間へとつながる階段を外れるようにしてこちらを向いて立っているのは、およそ花とは縁のなさそうな男。
色の褪せたネイビーのTシャツはところどころ擦り切れ、癖のある黒い髪は無造作に風になびいている。
美しい顔立ちはしているが、少女のような弟とは、まるで似ていない。
聖域で彼を見かけること自体珍しいのに、その彼がぽつねんとすぐ近くに立ってこちらを見下ろしている。
何かの前触れか? ならば雨よりももっと珍しいものが降るような気がして、アフロディーテは、笑みをこぼした。
藍色に近い、不思議と澄んだ黒い瞳が見つめているのは、先ほどより花がらを投げ落としている籠だった。視線の先を追ってそのことを確認してから、促すように不死鳥と目を合わせた。
「捨てるのか。」
籠を見つめたまま、言った。
「飾ると言っても限がないからな。欲しいのならやろうか? まだ2、3日なら楽しめる。」
「捨てるのなら、少しもらう。」
一輝はそう言うと、とことこと斜面を降りてきた。
こんなこと、誰に話しても信じまいな・・・そう思いつつ、アフロディーテはじっと様子を見守った。
懇意の猫のためにミルクを置いておいたら、トラが迷い込んできたような。
ネズミをしとめる罠に、オオカミがかかっていたような。
こちらの視線に構うことなく、不死鳥は籠のそばにしゃがむと、花を選び始める。
傷んだ葉や花首だけのものも投げ込んであるので、それらをかき分けるようにしてよさそうなものを探す。
「おもしろいな、君たちは。少女のようななりをした君の弟は、こんなものに興味は示さんぞ。もっとも、ここの薔薇にいい思い出などないだろうが・・・。
ここの花を気にかけたのは君と、キグナスくらいだ。」
キグナスの名を出したとき、不愛想に結ばれていた唇の、口角がごくわずかに上がった。
そのささやかな変化を、アフロディーテは見逃さなかった。
日焼けした武骨な手にあるのは、一輪の白い薔薇。
「贈り物なら、こちらの新しいのをあげようか。」
「いや、いい。」
否定することもなく、白い一輪を手にして、不死鳥は去って行った。
本当に何か降るかもしれない。
そう思いながらアフロディーテは、どこまでも青い、晴れた空を見上げた。
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馥郁とした香が立ち込める中、アフロディーテは薔薇の花を摘んでいた。
新しいつぼみがより美しく花開くように、開きすぎた花を落としてゆく。開きすぎた、といってもまだ鑑賞の余地は十分にある。しかし薔薇園は広大であり、毎日無数に新しい花が咲く。いちいち名残を惜しんでいたのでは、花園を維持することは叶わない。アフロディーテは花の選別に没頭し、慣れた手つきで鋏を入れては無造作に籠に落としていた。
ふと、視線を感じて振り返る。
教皇の間へとつながる階段を外れるようにしてこちらを向いて立っているのは、およそ花とは縁のなさそうな男。
色の褪せたネイビーのTシャツはところどころ擦り切れ、癖のある黒い髪は無造作に風になびいている。
美しい顔立ちはしているが、少女のような弟とは、まるで似ていない。
聖域で彼を見かけること自体珍しいのに、その彼がぽつねんとすぐ近くに立ってこちらを見下ろしている。
何かの前触れか? ならば雨よりももっと珍しいものが降るような気がして、アフロディーテは、笑みをこぼした。
藍色に近い、不思議と澄んだ黒い瞳が見つめているのは、先ほどより花がらを投げ落としている籠だった。視線の先を追ってそのことを確認してから、促すように不死鳥と目を合わせた。
「捨てるのか。」
籠を見つめたまま、言った。
「飾ると言っても限がないからな。欲しいのならやろうか? まだ2、3日なら楽しめる。」
「捨てるのなら、少しもらう。」
一輝はそう言うと、とことこと斜面を降りてきた。
こんなこと、誰に話しても信じまいな・・・そう思いつつ、アフロディーテはじっと様子を見守った。
懇意の猫のためにミルクを置いておいたら、トラが迷い込んできたような。
ネズミをしとめる罠に、オオカミがかかっていたような。
こちらの視線に構うことなく、不死鳥は籠のそばにしゃがむと、花を選び始める。
傷んだ葉や花首だけのものも投げ込んであるので、それらをかき分けるようにしてよさそうなものを探す。
「おもしろいな、君たちは。少女のようななりをした君の弟は、こんなものに興味は示さんぞ。もっとも、ここの薔薇にいい思い出などないだろうが・・・。
ここの花を気にかけたのは君と、キグナスくらいだ。」
キグナスの名を出したとき、不愛想に結ばれていた唇の、口角がごくわずかに上がった。
そのささやかな変化を、アフロディーテは見逃さなかった。
日焼けした武骨な手にあるのは、一輪の白い薔薇。
「贈り物なら、こちらの新しいのをあげようか。」
「いや、いい。」
否定することもなく、白い一輪を手にして、不死鳥は去って行った。
本当に何か降るかもしれない。
そう思いながらアフロディーテは、どこまでも青い、晴れた空を見上げた。
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