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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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雑誌連載のLC外伝、続きを読んでいません。
なので前回あんなこと書いちゃったけど、色々間違っているような・・・。
ま、氷河がデスクィーン島に行ってる時点で違っているので、ご容赦ください。

一輝は、他の修業地に行ったら、紫龍っぽい普通の人に仕上がっている気がする。
優しくて、男らしくて、礼儀正しい子。
なんかつまらない・・・。

氷河がデスクィーン島に行ってる間どこで修業しているんだろうかと考えて、頭の中で色々な聖衣を着せてみた。
キグナスでひと笑い。
アンドロメダでひと笑い。
ユニコーンでひと笑い。

どれも全然似合わない・・・。

なので、シャカさんのもとで、なんの聖衣が貰えるかも知らされずに、黙々とこき使われていると妄想。
それが一番おもしろく育つと思う。
島での修業中、「ご指導ありがとうございました」って頭を下げて叱られる場面がある。
他のどこへ行っても一輝はそう言い続ける気がするけれど、シャカさんのもとにいるとさすがにうんざりする瞬間がくる気がする。
あの馬鹿でかい大仏を一日中磨かされて、挙句幻影だった日とか。

話は変わりますが乙女座の聖衣。
あれ、乙女の像になるとびっくりする。
脱いだら、半跏思惟像になればいいのに。

なんだか余談多くなりました。失礼しました~。




拍手[19回]




「あんたは、どうして聖闘士になったんだ?」

暖炉の前で、差し出されたティーカップを両手でつかんだまま、氷河がぽつりと呟くように言った。

「あの島に行くことになったとき、そこは地獄だと言われた。だが、ここだって普通じゃない。あんたはどうして聖闘士になったんだ?」

いつも怒りをたぎらせている瞳が、湖水のような澄んだ静けさを湛えている。
その儚い美しさに目を奪われながら、カミュはその隣に腰を下ろすと静かに口を開いた。

「あらゆるものは原子でできている。物を破壊するとき、私たちはその原子を砕く。だが氷の闘技というのは少し違っていて、原子を砕くのではなく、その動きを止めるのだ。」

直接の答えとはあまりにも遠い言葉に、氷河は少し期待を裏切られた気がした。

「物心ついた時から、私はそのことを知っていた。目に見える世界とは別に、乱雑な原子の動きを感じることが出来たし、自分の中の小宇宙が果てしなく膨らんで、その動きを止めてしまえることも知っていた。・・・それが、地上を護るために自分に運命づけられた力なのだと知らされたときは嬉しかった。」

つまり、自分とは別格だっていいたいのか?
それでは、氷河の欲しい答えにはなっていない。

「・・・親はいないのか? 兄弟とか。」

カミュは黙ったままてのひらを胸の前に突き出した。その上にキラキラと雪の結晶が舞う。

「自分の子供がこんな風だったら、すこし恐ろしいと思うのは仕方のないことだ。」

口の端に小さく笑みを残したカミュの横顔を、氷河はじっと見つめた。

「聖域には、私と同じような子供がいて、みな力を持て余していた。あの頃は楽しかった。互いに心身を磨いて、私たちは聖闘士になった。氷河、憎しみではないのだ。小宇宙を感じて、翼を広げるのだ。」
「小宇宙って、自分の中にあるものだろう?」
「ああ、だが同時に、宇宙とも繋がっている。」
「そんな風にして、あんたが闘って、誰がそれを認めてくれるんだ? 女神って奴か?」
「・・・どうだろうな。闘って、女神とこの地上を護ることが出来れば、私はそれで構わない。」
「命がけで?」
「そうだ。」
「どうも腑に落ちない。」
「そうか?」
「・・・・・・あんたの母親も、あんたのことを怖いと言ったのか。」
「共にいては、彼女は彼女でいられなかったし、私は私でいられなかった。」

カミュは静かに暖炉の火を見つめていた。
紅い瞳に炎が映ってさらに輝きを増す。
それはどこか、人ならぬもののような美しさを湛えていた。

小宇宙ってものが宇宙と繋がっていたとしても、女神って奴がすごい力を持っていたとしても、それはその手でつかめるものではない。
幼いときカミュの手のうちにあったのは、ただ自分で作り出した、キラキラと光る雪だけだったのか。
それはたまらなくさみしいことのように氷河には思えた。
 
「・・・あんたは、何かを満たしたいと思ったことがないだろう。」
「?」
「あんたは最初っから失っているから、それを欲しいとは思わないんだ。」
 
俺はずっと欲しかった。
母にもう一度抱きしめてほしかったし、父には共に泣いてほしかった。
兄弟たちには告げたかった。
本当は一人ではないのだと。
壊したいのではなくて、受け止めて欲しかった。
 
 
氷河の頬に涙が伝っている。
カミュが指先を頬に近づけると、氷河は顔を背けてごしごしと袖で拭いた。
 
「あんたは氷の聖闘士なんだな。」
「ああ。おそろしいか?」
「俺の名前は・・・。」
そう言いかけて氷河は口を噤んだ。
 
俺の名前は、ずっとあんたのそばにあったんだ。
 
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「あんたは、どうして聖闘士になったんだ?」

暖炉の前で、差し出されたティーカップを両手でつかんだまま、氷河がぽつりと呟くように言った。

「あの島に行くことになったとき、そこは地獄だと言われた。だが、ここだって普通じゃない。あんたはどうして聖闘士になったんだ?」

いつも怒りをたぎらせている瞳が、湖水のような澄んだ静けさを湛えている。
その儚い美しさに目を奪われながら、カミュはその隣に腰を下ろすと静かに口を開いた。

「あらゆるものは原子でできている。物を破壊するとき、私たちはその原子を砕く。だが氷の闘技というのは少し違っていて、原子を砕くのではなく、その動きを止めるのだ。」

直接の答えとはあまりにも遠い言葉に、氷河は少し期待を裏切られた気がした。

「物心ついた時から、私はそのことを知っていた。目に見える世界とは別に、乱雑な原子の動きを感じることが出来たし、自分の中の小宇宙が果てしなく膨らんで、その動きを止めてしまえることも知っていた。・・・それが、地上を護るために自分に運命づけられた力なのだと知らされたときは嬉しかった。」

つまり、自分とは別格だっていいたいのか?
それでは、氷河の欲しい答えにはなっていない。

「・・・親はいないのか? 兄弟とか。」

カミュは黙ったままてのひらを胸の前に突き出した。その上にキラキラと雪の結晶が舞う。

「自分の子供がこんな風だったら、すこし恐ろしいと思うのは仕方のないことだ。」

口の端に小さく笑みを残したカミュの横顔を、氷河はじっと見つめた。

「聖域には、私と同じような子供がいて、みな力を持て余していた。あの頃は楽しかった。互いに心身を磨いて、私たちは聖闘士になった。氷河、憎しみではないのだ。小宇宙を感じて、翼を広げるのだ。」
「小宇宙って、自分の中にあるものだろう?」
「ああ、だが同時に、宇宙とも繋がっている。」
「そんな風にして、あんたが闘って、誰がそれを認めてくれるんだ? 女神って奴か?」
「・・・どうだろうな。闘って、女神とこの地上を護ることが出来れば、私はそれで構わない。」
「命がけで?」
「そうだ。」
「どうも腑に落ちない。」
「そうか?」
「・・・・・・あんたの母親も、あんたのことを怖いと言ったのか。」
「共にいては、彼女は彼女でいられなかったし、私は私でいられなかった。」

カミュは静かに暖炉の火を見つめていた。
紅い瞳に炎が映ってさらに輝きを増す。
それはどこか、人ならぬもののような美しさを湛えていた。

小宇宙ってものが宇宙と繋がっていたとしても、女神って奴がすごい力を持っていたとしても、それはその手でつかめるものではない。
幼いときカミュの手のうちにあったのは、ただ自分で作り出した、キラキラと光る雪だけだったのか。
それはたまらなくさみしいことのように氷河には思えた。
 
「・・・あんたは、何かを満たしたいと思ったことがないだろう。」
「?」
「あんたは最初っから失っているから、それを欲しいとは思わないんだ。」
 
俺はずっと欲しかった。
母にもう一度抱きしめてほしかったし、父には共に泣いてほしかった。
兄弟たちには告げたかった。
本当は一人ではないのだと。
壊したいのではなくて、受け止めて欲しかった。
 
 
氷河の頬に涙が伝っている。
カミュが指先を頬に近づけると、氷河は顔を背けてごしごしと袖で拭いた。
 
「あんたは氷の聖闘士なんだな。」
「ああ。おそろしいか?」
「俺の名前は・・・。」
そう言いかけて氷河は口を噤んだ。
 
俺の名前は、ずっとあんたのそばにあったんだ。
 
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