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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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お待たせいたしました。
やさぐれ氷河ネタです。

初めていらした方のために申し上げると、これは「もしも氷河がデスクイーン島で修業をして、征伐に来たのがシャカではなくカミュだったら」という妄想に基づくパラレル話です。
ここでそれをつぶやいたら、氷河ファンならご存知でしょう、「寒いところで待ち合わせ」のゆいま様が拾い上げてくださり、「すさんだ美少年」の一言で火がつきました。
ゆいま様のお言葉がなければ、この話は生まれていませんでした。
なので以下のお話は、「やさぐれ氷河」ふうこバージョンと思っていただければと思います。


実際に書いてみると、思った以上に難しく、あれやこれやの問題に突き当たりました。
なにせ小説なんて、書いたことないわけで。
構想力とかその辺も足りないわけです。
で、もうそこらへんは諦めて、書きたい場面を書くことにしました。(これぞやおい)
そんなわけで、割とすかすかしていると思いますが、そこは皆様の妄想で補っていただければと思います。
前に書いたあらすじとも、ちょっと内容は異なるかもしれません。

実はまだ完結していないんです(汗)。
いつもは全部書き上げてからUPしているのですが、今回はそれだといつになっても記事が更新できそうにないので、もういっそ載せてしまおうと。
そんなわけで、じりじり続く感じになるかと思いますが、よろしければお付き合いください。


1話だけちょっと流血シーンがあります。
苦手な方はとばしていただいても、話はつながるかと思います。



拍手[11回]




熱い風が吹いた。
深々と心臓を貫くと、男はむしろ笑みさえ浮かべて言った。
「最後に教えてやろう。享楽の限りを尽くしたお前の父親は、5年前に死んだ。売女の母も、悪魔の父も。もはやお前が復讐すべき人間は、この世のどこにも生きてはいない。お前の憎悪は永久にお前の体内を駆けめぐり蓄積される。その憎悪によって、お前の小宇宙は燃焼するのだ。」
蒼い瞳は、ただ昏く濁った。
無言のまま、肉から腕を引き抜く。
ずるずるとまとわりつく赤い血を、氷河は振り払い、シャツでぬぐった。
「・・・ジャンゴを倒し、フェニックスの聖衣をその身に纏え・・・さらば・・・」
息絶える男の姿を、氷河は冷たく見下ろした。
お前が死んでも、悪夢は終わらない。
何もかも壊せというのなら、そうしてやるよ。
壊すためだけに、俺は生きている。
まずはジャンゴという男か。
そいつを殺せばいいんだな。
 
ファイヤーマウンテンに近づくと、確かに殺気を感じた。
崖の上に、無数の影。
男たちは近寄ることもせず、誘い込むように氷河を見張っている。
悪意と下卑た笑い。
やがて数人が、崖から飛び降りて氷河を囲んだ。
「ずいぶんと上玉が迷い込んできたじゃないか。」
にやにやといやな笑いを浮かべながら、そのうちの一人が背後から氷河を押さえつける。
「ここからはジャンゴ様のテリトリーだと知らんのか。ふん、たっぷりかわいがってやる。」
男たちは色めき立ち、氷河の躰に手をかける。
整った顎に指をかけてあげさせると、白い喉があらわになった。
紅い唇は、酷薄な笑みを浮かべている。
鬼神のような美しさに、目の前の男は思わず唾を飲んだ。
気が急く。
それは他の男たちも同じようだ。
背後の男が息を荒くして引き寄せるように腕の力を強めると、氷河はわずかに目を細めた。
蒼い瞳が誘っている。
こらえきれずに男は跳びかかる。
と、背後の男に身を任せたまま、氷河は男を蹴り飛ばした。
とばされた男は地面に打ち付けられて、ぐうと血を吐いた。
「貴様・・・っ!」
背後の男をなぎ倒すと、氷河は小宇宙を高める。
ごみのような奴等。
跳びかかってきた男たちを、氷河は一瞬にしてなぎ倒した。
 
 
 
禍々しい空気に、カミュは眉をひそめた。
小宇宙という程でもない、堕落した人間達の気配。
その気配に集中し、意識を高めると、カミュはその渦の中心へと自らの身を運んだ。
一瞬、白い光がかすめる。
何だろう、あれは?
意識の中でカミュが手を伸ばすと、光はその手をすりぬけて消えた。
 
 
火口付近の焼けただれた大地の上に、清涼な光がキラキラと舞った。
次第にその光は強さを増し、一つの形を成した。
輝く、黄金の聖衣。
それを纏う男の、圧倒的な小宇宙にジャンゴは後ずさった。
それでも部下の手前、精一杯の虚勢を張る。
「な、なんだ、お前は・・・!」
「粛清に来た。聖衣は私利私欲のために用いるものではない、返してもらおう。」
「なにを・・・!」
引き返す道などないことは、ジャンゴも知っている。
この男から逃げたところで、暗黒聖闘士達はそれを許しはしない。
「デスクイーンインフェルノ!!」
数多の人間を葬ってきた技を放つ。
島では皆がこの技に怯え、ひれ伏してきた。
黄金聖闘士はそれを片手で受け、弾き返した。
凍気・・・と思う間があったのか。
ジャンゴはそのまま凍りつき、重い音をたててその場に倒れた。
「ひっ・・・!!」
取り巻きの男たちは、我先にとその場を逃げる。
こうなったら、四天王だ。
視線の先に、ブラックドラゴンの長い髪が見えた。
だがその首を、見たことのない人間が締め上げている。
金色の髪をした、まだ13、4の子供だ。
蒼い瞳はこちらを睨むと、ブラックドラゴンの身体を投げつけた。
「このっ・・・!」
だが、少年は、別の方を見ている。
ひるむことなく、唇に笑みを湛えて、先ほどの黄金聖闘士の方に向き直った。
「馬鹿め・・・。」
男たちは、その隙を縫って、ひそひそとその場を逃げ出した。
 
火口からは、絶え間なく炎が巻き上がる。
血に染まった金色の髪が、炎に照らされている。
左手に負った傷口を、挑発するようにゆっくりと舐めた。
「何だ? あんたは?・・・ジャンゴではないな。」
カミュが視線だけで死体を示すと、少年は笑った。
「その聖衣は俺のものだ。返してもらう。」
少年が構える。
確かに彼からは小宇宙を感じる。
ジャンゴという男とは、較べものにならない。
しかしこれは・・・。
「返事はなしか。ならば力づくで奪うまでだ!!」
地を蹴って、少年が跳びかかってくる。
カミュはマントで、それを振り払った。
「くそぉっ!ならばこれはどうだっ。鳳凰幻魔拳!!」
カミュの手から、光がこぼれる、それは瞬く間に氷の壁となって、少年の拳を弾き返した。
魔拳は、跳ね返って彼自身を打つ。
「うわっ・・・」
崩れ落ちた身体を、カミュが受け止めた。
 
 
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熱い風が吹いた。
深々と心臓を貫くと、男はむしろ笑みさえ浮かべて言った。
「最後に教えてやろう。享楽の限りを尽くしたお前の父親は、5年前に死んだ。売女の母も、悪魔の父も。もはやお前が復讐すべき人間は、この世のどこにも生きてはいない。お前の憎悪は永久にお前の体内を駆けめぐり蓄積される。その憎悪によって、お前の小宇宙は燃焼するのだ。」
蒼い瞳は、ただ昏く濁った。
無言のまま、肉から腕を引き抜く。
ずるずるとまとわりつく赤い血を、氷河は振り払い、シャツでぬぐった。
「・・・ジャンゴを倒し、フェニックスの聖衣をその身に纏え・・・さらば・・・」
息絶える男の姿を、氷河は冷たく見下ろした。
お前が死んでも、悪夢は終わらない。
何もかも壊せというのなら、そうしてやるよ。
壊すためだけに、俺は生きている。
まずはジャンゴという男か。
そいつを殺せばいいんだな。
 
ファイヤーマウンテンに近づくと、確かに殺気を感じた。
崖の上に、無数の影。
男たちは近寄ることもせず、誘い込むように氷河を見張っている。
悪意と下卑た笑い。
やがて数人が、崖から飛び降りて氷河を囲んだ。
「ずいぶんと上玉が迷い込んできたじゃないか。」
にやにやといやな笑いを浮かべながら、そのうちの一人が背後から氷河を押さえつける。
「ここからはジャンゴ様のテリトリーだと知らんのか。ふん、たっぷりかわいがってやる。」
男たちは色めき立ち、氷河の躰に手をかける。
整った顎に指をかけてあげさせると、白い喉があらわになった。
紅い唇は、酷薄な笑みを浮かべている。
鬼神のような美しさに、目の前の男は思わず唾を飲んだ。
気が急く。
それは他の男たちも同じようだ。
背後の男が息を荒くして引き寄せるように腕の力を強めると、氷河はわずかに目を細めた。
蒼い瞳が誘っている。
こらえきれずに男は跳びかかる。
と、背後の男に身を任せたまま、氷河は男を蹴り飛ばした。
とばされた男は地面に打ち付けられて、ぐうと血を吐いた。
「貴様・・・っ!」
背後の男をなぎ倒すと、氷河は小宇宙を高める。
ごみのような奴等。
跳びかかってきた男たちを、氷河は一瞬にしてなぎ倒した。
 
 
 
禍々しい空気に、カミュは眉をひそめた。
小宇宙という程でもない、堕落した人間達の気配。
その気配に集中し、意識を高めると、カミュはその渦の中心へと自らの身を運んだ。
一瞬、白い光がかすめる。
何だろう、あれは?
意識の中でカミュが手を伸ばすと、光はその手をすりぬけて消えた。
 
 
火口付近の焼けただれた大地の上に、清涼な光がキラキラと舞った。
次第にその光は強さを増し、一つの形を成した。
輝く、黄金の聖衣。
それを纏う男の、圧倒的な小宇宙にジャンゴは後ずさった。
それでも部下の手前、精一杯の虚勢を張る。
「な、なんだ、お前は・・・!」
「粛清に来た。聖衣は私利私欲のために用いるものではない、返してもらおう。」
「なにを・・・!」
引き返す道などないことは、ジャンゴも知っている。
この男から逃げたところで、暗黒聖闘士達はそれを許しはしない。
「デスクイーンインフェルノ!!」
数多の人間を葬ってきた技を放つ。
島では皆がこの技に怯え、ひれ伏してきた。
黄金聖闘士はそれを片手で受け、弾き返した。
凍気・・・と思う間があったのか。
ジャンゴはそのまま凍りつき、重い音をたててその場に倒れた。
「ひっ・・・!!」
取り巻きの男たちは、我先にとその場を逃げる。
こうなったら、四天王だ。
視線の先に、ブラックドラゴンの長い髪が見えた。
だがその首を、見たことのない人間が締め上げている。
金色の髪をした、まだ13、4の子供だ。
蒼い瞳はこちらを睨むと、ブラックドラゴンの身体を投げつけた。
「このっ・・・!」
だが、少年は、別の方を見ている。
ひるむことなく、唇に笑みを湛えて、先ほどの黄金聖闘士の方に向き直った。
「馬鹿め・・・。」
男たちは、その隙を縫って、ひそひそとその場を逃げ出した。
 
火口からは、絶え間なく炎が巻き上がる。
血に染まった金色の髪が、炎に照らされている。
左手に負った傷口を、挑発するようにゆっくりと舐めた。
「何だ? あんたは?・・・ジャンゴではないな。」
カミュが視線だけで死体を示すと、少年は笑った。
「その聖衣は俺のものだ。返してもらう。」
少年が構える。
確かに彼からは小宇宙を感じる。
ジャンゴという男とは、較べものにならない。
しかしこれは・・・。
「返事はなしか。ならば力づくで奪うまでだ!!」
地を蹴って、少年が跳びかかってくる。
カミュはマントで、それを振り払った。
「くそぉっ!ならばこれはどうだっ。鳳凰幻魔拳!!」
カミュの手から、光がこぼれる、それは瞬く間に氷の壁となって、少年の拳を弾き返した。
魔拳は、跳ね返って彼自身を打つ。
「うわっ・・・」
崩れ落ちた身体を、カミュが受け止めた。
 
 
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