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ちょっと前に録画したDVDを見ていたら、きしべ〇徳さんが言ったのです。
「60歳を越すと、大事にするものを大事にしてゆこうってのがでてくる」
え?60過ぎまで待たねばなりませんか?!
あー、でも、わかる気がする。
嫌だけど、なんかしみじみわかる。
男の人はそうかもしれない。
でもさ、いくつまで生きていられるかなんてわからないのに、60って!!
で、常々思っていたオメデタ妄想を文にしてみました。
ひかないで~。
「60歳を越すと、大事にするものを大事にしてゆこうってのがでてくる」
え?60過ぎまで待たねばなりませんか?!
あー、でも、わかる気がする。
嫌だけど、なんかしみじみわかる。
男の人はそうかもしれない。
でもさ、いくつまで生きていられるかなんてわからないのに、60って!!
で、常々思っていたオメデタ妄想を文にしてみました。
ひかないで~。
季節が巡ると、花だけは咲いた。
しかしそこに、あの人の姿はない。
どこに行ったら会えるのだろう、と氷河は思う。
シベリアにも、宝瓶宮にも、あるのはあの人が触れていた物だけ。
そしてここにも、あの人はいない。
氷河は膝をつくと、石に刻まれたその名に触れた。
聖戦を戦い抜くためだけに生きてきた。
その聖戦において、女神が勝利を収めた今、自分は自由なのかもしれない。
だとしたら、貴方のもとへ行きたい。
アイザックに詫びて、貴方に詫びて、そうして許されるなら、貴方のそばで眠りたい。
それだけが、本当の俺の願いだ。
きっと皆に叱られるだろう。
だけど、もう、許してもらえないか。
氷河は両の拳を握りしめた。
節が白くなる程強く。
いけない、氷河、とカミュは思った。
お前が生きることが、私の願いだ。
そんな風に拳を握りしめたら、傷ついてしまう。
私はいつもそばにいるから、ほら、手の力をぬいて。
カミュは氷河の背後から手を伸ばして、その手に触れた。
両の手をそれぞれ包み込むようにする。
・・・いつもより、やけに鮮明な。
実体を持たぬはずの自分の手が、氷河の手に触れる。
その熱が、伝わってくる。
氷河も、その、ぬくもりを感じた。
これはカミュだ。
カミュの小宇宙だ。
来てくれたんですね。
先生。
カミュの長い指が、氷河の指に絡む。
艶やかな髪が頬に触れている。
あたたかな鼓動・・・。
氷河は振り返った。
そこには確かにカミュが存在している。
「先生?!」
「氷河?!」
二人は目を合わせ、互いに驚きの声をあげた。
カミュは指をほどくと、氷河を向き直らせて正面から抱きしめた。
「これは、夢・・・?」
「そうかもしれない。」
「ああ、でも・・・。」
氷河の瞳から流れ落ちる涙を、カミュが唇でぬぐった。
「オレも、死んだのかな・・・。」
「そんなこと、させはしない。」
「でも、こうしてあなたのそばに。」
カミュは黙ったまま、氷河の首筋に顔を埋める。
温かい肌。
氷河の匂いがする。
氷河は指を、カミュの髪に差し入れた。
どこにも行ってしまわないようにと強く引き寄せる。
「どこでしょう、ここは。」
「どこでも構いはしない。お前といられれば、それでいい。」
柔らかな地面の上に、氷河を横たえる。
身体が熱く、脈打っている。
すべてを確かめるように、唇でたどる。
と、カミュの後頭部に何かが当たった。
「痛っ!!」
はじけて転がった小石が目に入り、カミュは振り返る。
「ミロ!!」
「お前、さっきから女神が呼んでいるのが聞こえんのか?!しかも、皆自宮で聖衣を纏って蘇ったというのに、何故お前ひとり、こんなところで、氷河といちゃついているんだ!!」
カミュは憮然とした表情で、ミロを睨み返す。
「私はいつだって、氷河とともにあった。」
「あの、あの、蘇ったって??」
はだけたシャツを直すことも忘れて、氷河が問いかける。
「ああ、これからそれを女神が説明してくださる。この馬鹿を、皆で待っていた。氷河、お前も来い。」
気の進まない思いでカミュは立ち上がった。
氷河も、シャツのボタンを留めるとそれに続く。
「あ・・・。」
わずかによろめいて顔を赤くする氷河を、カミュが抱きとめた。
肉体そのものを失い、新しく命を得た自分とは違って、氷河はまだ傷だらけだ。
身体のあちこちに包帯が巻かれており、右足も少し引きずるようにしている。
カミュは迷うことなく、氷河を抱き上げた。
「え、大丈夫です。自分で歩けます!!」
慌てる氷河を、とろけるようなまなざしで見つめる。
ミロはやれやれと額を押さえた。
その姿を見て、カミュはフンと笑った。
「女神が何とおっしゃるかはわからないが。今度ばかりは、愛のために生きさせてもらう。」
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季節が巡ると、花だけは咲いた。
しかしそこに、あの人の姿はない。
どこに行ったら会えるのだろう、と氷河は思う。
シベリアにも、宝瓶宮にも、あるのはあの人が触れていた物だけ。
そしてここにも、あの人はいない。
氷河は膝をつくと、石に刻まれたその名に触れた。
聖戦を戦い抜くためだけに生きてきた。
その聖戦において、女神が勝利を収めた今、自分は自由なのかもしれない。
だとしたら、貴方のもとへ行きたい。
アイザックに詫びて、貴方に詫びて、そうして許されるなら、貴方のそばで眠りたい。
それだけが、本当の俺の願いだ。
きっと皆に叱られるだろう。
だけど、もう、許してもらえないか。
氷河は両の拳を握りしめた。
節が白くなる程強く。
いけない、氷河、とカミュは思った。
お前が生きることが、私の願いだ。
そんな風に拳を握りしめたら、傷ついてしまう。
私はいつもそばにいるから、ほら、手の力をぬいて。
カミュは氷河の背後から手を伸ばして、その手に触れた。
両の手をそれぞれ包み込むようにする。
・・・いつもより、やけに鮮明な。
実体を持たぬはずの自分の手が、氷河の手に触れる。
その熱が、伝わってくる。
氷河も、その、ぬくもりを感じた。
これはカミュだ。
カミュの小宇宙だ。
来てくれたんですね。
先生。
カミュの長い指が、氷河の指に絡む。
艶やかな髪が頬に触れている。
あたたかな鼓動・・・。
氷河は振り返った。
そこには確かにカミュが存在している。
「先生?!」
「氷河?!」
二人は目を合わせ、互いに驚きの声をあげた。
カミュは指をほどくと、氷河を向き直らせて正面から抱きしめた。
「これは、夢・・・?」
「そうかもしれない。」
「ああ、でも・・・。」
氷河の瞳から流れ落ちる涙を、カミュが唇でぬぐった。
「オレも、死んだのかな・・・。」
「そんなこと、させはしない。」
「でも、こうしてあなたのそばに。」
カミュは黙ったまま、氷河の首筋に顔を埋める。
温かい肌。
氷河の匂いがする。
氷河は指を、カミュの髪に差し入れた。
どこにも行ってしまわないようにと強く引き寄せる。
「どこでしょう、ここは。」
「どこでも構いはしない。お前といられれば、それでいい。」
柔らかな地面の上に、氷河を横たえる。
身体が熱く、脈打っている。
すべてを確かめるように、唇でたどる。
と、カミュの後頭部に何かが当たった。
「痛っ!!」
はじけて転がった小石が目に入り、カミュは振り返る。
「ミロ!!」
「お前、さっきから女神が呼んでいるのが聞こえんのか?!しかも、皆自宮で聖衣を纏って蘇ったというのに、何故お前ひとり、こんなところで、氷河といちゃついているんだ!!」
カミュは憮然とした表情で、ミロを睨み返す。
「私はいつだって、氷河とともにあった。」
「あの、あの、蘇ったって??」
はだけたシャツを直すことも忘れて、氷河が問いかける。
「ああ、これからそれを女神が説明してくださる。この馬鹿を、皆で待っていた。氷河、お前も来い。」
気の進まない思いでカミュは立ち上がった。
氷河も、シャツのボタンを留めるとそれに続く。
「あ・・・。」
わずかによろめいて顔を赤くする氷河を、カミュが抱きとめた。
肉体そのものを失い、新しく命を得た自分とは違って、氷河はまだ傷だらけだ。
身体のあちこちに包帯が巻かれており、右足も少し引きずるようにしている。
カミュは迷うことなく、氷河を抱き上げた。
「え、大丈夫です。自分で歩けます!!」
慌てる氷河を、とろけるようなまなざしで見つめる。
ミロはやれやれと額を押さえた。
その姿を見て、カミュはフンと笑った。
「女神が何とおっしゃるかはわからないが。今度ばかりは、愛のために生きさせてもらう。」
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