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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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以前コメントを下さったるい様に、テロメアの続きを・・・と言っていただいたので書いてみました。

前々から気になっていたことを、カミュご本人に突っ込んでいただいた次第です。

なんだかちょっと生ぬるいですが、大丈夫でしょうか???

拍手[14回]




テロメア妄想5



「とりあえず、食事にしましょうか。」
そう言って氷河は止めていたガスの火をつけ、パスタを茹でるためのお湯を沸かしなおした。
「サラダでも作ろうか。」
冷蔵庫を覗いたカミュがそう言って、二人は並んで夕食を用意した。
 
「いただきます。」
テーブルに、向かい合って座る。
懐かしい。
カミュの姿だけ見ていると、氷河は自分が8歳の子供に戻ったような気がする。
カミュは背筋を伸ばしたまま、きれいな手つきでパスタをフォークに絡め取って口に運んだ。
「うむ。おいしい。」
「本当ですか?!」
カミュのために食事を用意するのは初めてではないが、何だか修行中に褒められたときのように嬉しい。
氷河の顔が、子供の頃のように輝くのを見て、カミュはカミュで、心の中がじんわりとあたたかくなるのを感じた。
 
「氷河、お前、オーロラエクスキューションを使えるようになったのか?」
サガの言葉を思い出して、カミュはふと尋ねた。
「ええ、先生が、導いてくださったおかげです。」
氷河は驚くこともせずに、静かに目を伏せながら言った。
6年・・・、それはこんなにも弟子を変えるものなのか。
カミュの知っている氷河は、まだ凍気すら発することが出来ない。
「でも。」
「なんだ?」
「フリージングコフィンの方は、まだちょっと完璧ではないというか・・・。」
氷河は言いにくそうに、やや顔をしかめながら言った。
「フリージングコフィン??」
何だそれはという風に首をかしげるカミュの姿に、驚いたのは氷河の方だった。
「え、あの、先生の技ですよ???」
「私の・・・? 直訳すれば氷の棺ということか・・・。」
それで俺は2度も大変目に!!とは氷河は言い出せなかった。
「あの、あのですね。絶対零度に限りなく近い凍気で作った氷で、敵を閉じ込めるんです。」
「仕留めた相手を、わざわざ??」
「ええ、何があっても溶けない、黄金聖闘士数人の力をもってしても壊れない氷の棺です。」
「倒したのに閉じ込めても仕方ないだろう。だいいちその氷、あとで邪魔じゃないのか?」
「え、ええ、まぁ・・・。」
「それだけの氷を作り上げるには、時間もかかる。だとしたら、より凍気を高めてダイヤモンドダストやオーロラエクスキューションを放ち、確実に相手を倒す方が戦闘では効果的だ。」
「はぁ、まぁ・・・。あの、俺はハーデス軍と戦ったときに、敵を足止めするために、それを変形して壁を作ったんです。けれども、敵に壊されてしまって・・・。」
「ああ、まぁ、壁というなら使いようはあるか。」
「あるいは、その、相手を仮死状態にして、幾星霜の後に蘇らせる・・・みたいな??」
「何のためにだ?!」
真顔で問い返すカミュの目を直視できずに、氷河はうつむいてパスタをフォークに絡めた。
「しかし・・・、私の技なのだな。師から教わった記憶もないから、私が考えたんだろう。なにか、そうする必要があると思ったのだろうが、おかしな技だ。」
「・・・どれくらい、考えたんでしょう。」
「ん?」
「その技を思いつくまでに。」
「さぁ、どうだろうな。技術的には簡単なことだが、考えたのはそれを、戦闘で用いるかどうかということではないのか?」
氷河の手が、ふっと止まる。
零れ落ちてきた涙を、手の甲でごしごしとぬぐった。
「いけませんね。今日は泣いてばっかりだ。」
「いつものことだろう。」
「違いますよ!!・・・その・・・子供のときとは違うんですから!!」
カミュは、フッと笑みをこぼした。
この世のものとも思われぬ、紅く、美しい瞳・・・。
氷河は思わず、その瞳に吸い込まれそうになる。
 
 
「パジャマ、ここに置いておきますね。下着は・・・一応新しいのがありましたから、これを。」
宝瓶宮の私室には、氷河の服もいくらか置いてある。
それに気づいていれば、アフロディーテのひらひら服を着る必要もなかったのだ。
そう思いながら、カミュは浴室に向かった。
 
食器を片づけながら、氷河はぼんやりとする。
色々なことが、ぐるぐると頭の中をめぐって、まとまりがつかない。
闘いのことを思い出せば涙がこぼれるし、少年らしいカミュの仕草を思い出すと笑みがこぼれる。
そうしてどこか繊細なカミュの白い指と、記憶にあるよりもずっと細い、カミュの肩を思い出す。
 
あれ? 今、俺、何考えた・・・?
 
氷河はふるふると頭を振って、意味もなく台所のシンクを磨いた。
「先に、すまなかったな。」
振り返るとカミュが、氷河の紺色のパジャマを着て立っている。
ゆったりとした襟から覗く肌は、温まってほの赤く染まっている。
「あ、いえ・・・」
氷河はぎこちなく、首をもとの向きに直すと、再びごしごしとシンクを磨いた。
「そんなのはいいから、湯が冷めないうちに、お前も入りなさい。」
濡れた髪をタオルでくるんだまま、のんきそうにカミュが背後から覗き込む。
ほかほかとあたたかな、湯上りの体温が伝わってくる。
「はいっ。」
氷河は着替えを持って、逃げるように浴室に向かった。
 
 
 
浴室から戻ると、カミュはもとの姿に戻っていた。
ホッとしたような、淋しいような、複雑な気分である。
カミュは氷河の顔を見ると、はっと息を飲んで、目を泳がせた。
ついで指を額にあてるようにして顔を隠すが、耳はふたつとも真っ赤だ。
こんな風に狼狽する師の姿を、氷河は初めて見た。
ボタンのはじけてしまった氷河のパジャマを引き寄せて、カミュが口を開く。
「もしや、クロノスの・・・」
「ええ、さっきまで俺と同じ14歳でした。」
深く深くため息をつくカミュを見て、氷河は笑みをこぼした。
 
 
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テロメア妄想5



「とりあえず、食事にしましょうか。」
そう言って氷河は止めていたガスの火をつけ、パスタを茹でるためのお湯を沸かしなおした。
「サラダでも作ろうか。」
冷蔵庫を覗いたカミュがそう言って、二人は並んで夕食を用意した。
 
「いただきます。」
テーブルに、向かい合って座る。
懐かしい。
カミュの姿だけ見ていると、氷河は自分が8歳の子供に戻ったような気がする。
カミュは背筋を伸ばしたまま、きれいな手つきでパスタをフォークに絡め取って口に運んだ。
「うむ。おいしい。」
「本当ですか?!」
カミュのために食事を用意するのは初めてではないが、何だか修行中に褒められたときのように嬉しい。
氷河の顔が、子供の頃のように輝くのを見て、カミュはカミュで、心の中がじんわりとあたたかくなるのを感じた。
 
「氷河、お前、オーロラエクスキューションを使えるようになったのか?」
サガの言葉を思い出して、カミュはふと尋ねた。
「ええ、先生が、導いてくださったおかげです。」
氷河は驚くこともせずに、静かに目を伏せながら言った。
6年・・・、それはこんなにも弟子を変えるものなのか。
カミュの知っている氷河は、まだ凍気すら発することが出来ない。
「でも。」
「なんだ?」
「フリージングコフィンの方は、まだちょっと完璧ではないというか・・・。」
氷河は言いにくそうに、やや顔をしかめながら言った。
「フリージングコフィン??」
何だそれはという風に首をかしげるカミュの姿に、驚いたのは氷河の方だった。
「え、あの、先生の技ですよ???」
「私の・・・? 直訳すれば氷の棺ということか・・・。」
それで俺は2度も大変目に!!とは氷河は言い出せなかった。
「あの、あのですね。絶対零度に限りなく近い凍気で作った氷で、敵を閉じ込めるんです。」
「仕留めた相手を、わざわざ??」
「ええ、何があっても溶けない、黄金聖闘士数人の力をもってしても壊れない氷の棺です。」
「倒したのに閉じ込めても仕方ないだろう。だいいちその氷、あとで邪魔じゃないのか?」
「え、ええ、まぁ・・・。」
「それだけの氷を作り上げるには、時間もかかる。だとしたら、より凍気を高めてダイヤモンドダストやオーロラエクスキューションを放ち、確実に相手を倒す方が戦闘では効果的だ。」
「はぁ、まぁ・・・。あの、俺はハーデス軍と戦ったときに、敵を足止めするために、それを変形して壁を作ったんです。けれども、敵に壊されてしまって・・・。」
「ああ、まぁ、壁というなら使いようはあるか。」
「あるいは、その、相手を仮死状態にして、幾星霜の後に蘇らせる・・・みたいな??」
「何のためにだ?!」
真顔で問い返すカミュの目を直視できずに、氷河はうつむいてパスタをフォークに絡めた。
「しかし・・・、私の技なのだな。師から教わった記憶もないから、私が考えたんだろう。なにか、そうする必要があると思ったのだろうが、おかしな技だ。」
「・・・どれくらい、考えたんでしょう。」
「ん?」
「その技を思いつくまでに。」
「さぁ、どうだろうな。技術的には簡単なことだが、考えたのはそれを、戦闘で用いるかどうかということではないのか?」
氷河の手が、ふっと止まる。
零れ落ちてきた涙を、手の甲でごしごしとぬぐった。
「いけませんね。今日は泣いてばっかりだ。」
「いつものことだろう。」
「違いますよ!!・・・その・・・子供のときとは違うんですから!!」
カミュは、フッと笑みをこぼした。
この世のものとも思われぬ、紅く、美しい瞳・・・。
氷河は思わず、その瞳に吸い込まれそうになる。
 
 
「パジャマ、ここに置いておきますね。下着は・・・一応新しいのがありましたから、これを。」
宝瓶宮の私室には、氷河の服もいくらか置いてある。
それに気づいていれば、アフロディーテのひらひら服を着る必要もなかったのだ。
そう思いながら、カミュは浴室に向かった。
 
食器を片づけながら、氷河はぼんやりとする。
色々なことが、ぐるぐると頭の中をめぐって、まとまりがつかない。
闘いのことを思い出せば涙がこぼれるし、少年らしいカミュの仕草を思い出すと笑みがこぼれる。
そうしてどこか繊細なカミュの白い指と、記憶にあるよりもずっと細い、カミュの肩を思い出す。
 
あれ? 今、俺、何考えた・・・?
 
氷河はふるふると頭を振って、意味もなく台所のシンクを磨いた。
「先に、すまなかったな。」
振り返るとカミュが、氷河の紺色のパジャマを着て立っている。
ゆったりとした襟から覗く肌は、温まってほの赤く染まっている。
「あ、いえ・・・」
氷河はぎこちなく、首をもとの向きに直すと、再びごしごしとシンクを磨いた。
「そんなのはいいから、湯が冷めないうちに、お前も入りなさい。」
濡れた髪をタオルでくるんだまま、のんきそうにカミュが背後から覗き込む。
ほかほかとあたたかな、湯上りの体温が伝わってくる。
「はいっ。」
氷河は着替えを持って、逃げるように浴室に向かった。
 
 
 
浴室から戻ると、カミュはもとの姿に戻っていた。
ホッとしたような、淋しいような、複雑な気分である。
カミュは氷河の顔を見ると、はっと息を飲んで、目を泳がせた。
ついで指を額にあてるようにして顔を隠すが、耳はふたつとも真っ赤だ。
こんな風に狼狽する師の姿を、氷河は初めて見た。
ボタンのはじけてしまった氷河のパジャマを引き寄せて、カミュが口を開く。
「もしや、クロノスの・・・」
「ええ、さっきまで俺と同じ14歳でした。」
深く深くため息をつくカミュを見て、氷河は笑みをこぼした。
 
 
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