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無題
NONAME 氷河のお誕生日って変更があったんですか~!
知りませんでした。 しかもクリスマスとは…存在そのものがカミュ先生へのプレゼントですね!
続き楽しみにしています(*^o^*)
NONAME 氷河のお誕生日って変更があったんですか~!
知りませんでした。 しかもクリスマスとは…存在そのものがカミュ先生へのプレゼントですね!
続き楽しみにしています(*^o^*)
城戸邸の客間に集められた5人は戸惑っていた。
突然日本に現れたシオンと童虎から、赤と緑に彩られたかわいらしいレターセットを手渡されたからだった。
「おぬしから話せ。」
「いいや、おぬしから。」
などと皆に聞こえる程度の小声で譲り合ったのち、教皇を務めたシオンが口を開いた。
「もうすぐクリスマスだ。お前たち、サンタさんに手紙を書くのだ。」
「手紙・・・ですか?!」
呆気にとられて口を開けたままの5人に対し、童虎が続ける。
「ほら、サンタさんはクリスマスにプレゼントをくれるからの。どうせなら欲しいものなどしたためてみたらどうかと思っての。」
愛弟子である紫龍が、いち早く空気を察して笑顔を浮かべた。
「この紫龍、これまでサンタクロースがどこにいるのか皆目見当がつかず、願いを伝えられぬままでした。老師とシオンが渡してくださるというのならば、ありがたく手紙を書かせていただきます。」
「そうじゃ、紫龍よ。わしもこれまで知らなかったのだがな。このシオンが教えてくれたのだ。だから今年からは、安心して手紙をしたためるがよいぞ。おぬしらもな、遠慮はいらん。欲しいものを書くのじゃぞ。」
少年たちが頷くと、じじ二人は至極満足そうに笑みを浮かべて去って行った。
「サンタさんに手紙って。貴鬼ならともかく、俺たちまで信じてると思ってるんだな。」
「あの年になると、貴鬼も僕らもあまり変わらないんじゃない?」
「そうかもしれない。でも・・・、お二人の気持ちはありがたく受け取ることにしよう。」
「うん、っていうか紫龍、よくあんなこと言えたね。僕笑わないようにするだけで精いっぱいだったよ。」
「まったくだ。」
談笑する4人のそばで、氷河が手紙を持ったまま立ち尽くしている。
「どうした? 氷河?」
「いる・・・。いるだろう? サンタクロース?」
え?
「シベリアには毎年来てくれたぞ。」
ああ、シベリアには来たかもしれない・・・と皆は思った。
というより、今ここで氷河の夢を壊したら、あとで赤い髪のサンタクロースに氷漬けにされることは目に見えている。
「あ、やっぱあれかなぁ。フィンランドが近いから、シベリアには毎年来たのかな? 僕たちちょっと、遠いところで修行していたからね。」
かわいそうにという顔で、氷河はこっちを見つめている。
「よい子のところには、必ず来る筈なんだが。」
「う・・・ん。ちょっと、良くないこととかもしたのかな?」
「あ、あれだ。オレ、早く寝なかった。捕まえてやろうと思って、朝までずっと見張ってたからさ、サンタの奴も出て来られなかったのかもしれない。」
フッと氷河は笑みを漏らす。
「馬鹿だな。寝ないとサンタさんは来ないんだぞ。」
「わかった。今年は寝る。手紙も書くからな。今年は絶対来てもらえるはずだ。」
「そうだな。よかったな。」
レターセットを片手に部屋に戻る氷河の姿を4人は見守った。
「・・・・びっくりした・・・・。シベリア爆弾、まさかそう来るとは思わなかった・・・。」
数日後、自分のプレゼントをどうするかより、師匠の作戦の行方が気になって仕方のない紫龍は、仲間たちに声をかけた。
「なぁ、星矢。プレゼント、何頼むんだ?」
「え?DS。もう手紙出したぜ。」
「DSってお前、それが何かということと、メーカー名、販売店は明記したのか?」
「いや? DSっつったら、DSだろう。」
「それがあのふた・・・いやサンタクロースにわかると思うのか?」
「そっか。」
「いい、俺の手紙の方に、追伸で書いておいてやる。・・・で、瞬は何にしたんだ?」
「僕はね、商品券にした。一番無難でしょ。」
無難ではあるが、あの二人はがっかりするだろうと紫龍は思った。
「一輝は?」
「兄さんはね、ぐいのみだって。」
15歳の希望としてはどうかと思うが、老師たちにとってはわかりやすいチョイスである。
「で、氷河は?」
「俺はもう、カミュに預けてあるからな。もう手紙は出しましたと書いておいた。」
クリスマスも近いというのに、紫龍の胃はキリキリと痛んだ。
さて、自分は何にしよう。
買いにゆく手間もあるだろうから、早めに手紙を出さなくてはならない。
レターセットを前に頬杖をついた紫龍は、ふと思いを馳せた。
この手紙をもとに、二人はプレゼントを買うのだろう。そうしてきっとクリスマスの夜に、プレゼントを届けにやってくる・・・。
今年のクリスマスは聖域でパーティをすることになっているので、皆聖域に泊まることにしている。近場に集まっていれば届けるのも楽なはずだ。
が、しかし・・・。
紫龍はふいにあることに思い立って立ち上がった。
それから再び椅子に腰をおろし、深くため息をついた。
夜、紫龍はこっそりと瞬の部屋を訪ねた。
「夜分にすまない。少し、気になることがあるんだが・・・。」
珍しく口ごもる紫龍を、瞬は辛抱強く見守った。
「クリスマス・・・今年は皆聖域で過ごすことになっているな。おそらくその晩に、老師たちがプレゼントを届けてくれると思うのだが・・・氷河は宝瓶宮に泊まるだろう?・・・何というか・・・その・・・俺の考えすぎかもしれないが・・・クリスマスの夜に、あの二人のところへ、老師が忍んで行っても差し支えないだろうか?」
瞬の丸い瞳が、さらに大きく見開かれる。
「あ、いや、氷河は早く寝ると言ってたし、俺の考えすぎだな。忘れてくれ。」
「いや、紫龍の言うとおりだよ。サンタ前かサンタ後かは知らないけど、クリスマスのお泊りなんてさ、そうに決まっているよ。」
「・・・やはりそう思うか・・・。」
「さりげなく、カミュに二人の計画のことを伝えておいたほうがいいよね。そっから先はカミュに考えてもらおう。紫龍、君から言ってくれる?」
「俺が!?」
「僕、その辺踏み込むの、ちょっと怖いんだよ・・・。」
「俺だって!!」
結局二人で行ってみようということになって、翌日紫龍たちは聖域を訪れた。
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城戸邸の客間に集められた5人は戸惑っていた。
突然日本に現れたシオンと童虎から、赤と緑に彩られたかわいらしいレターセットを手渡されたからだった。
「おぬしから話せ。」
「いいや、おぬしから。」
などと皆に聞こえる程度の小声で譲り合ったのち、教皇を務めたシオンが口を開いた。
「もうすぐクリスマスだ。お前たち、サンタさんに手紙を書くのだ。」
「手紙・・・ですか?!」
呆気にとられて口を開けたままの5人に対し、童虎が続ける。
「ほら、サンタさんはクリスマスにプレゼントをくれるからの。どうせなら欲しいものなどしたためてみたらどうかと思っての。」
愛弟子である紫龍が、いち早く空気を察して笑顔を浮かべた。
「この紫龍、これまでサンタクロースがどこにいるのか皆目見当がつかず、願いを伝えられぬままでした。老師とシオンが渡してくださるというのならば、ありがたく手紙を書かせていただきます。」
「そうじゃ、紫龍よ。わしもこれまで知らなかったのだがな。このシオンが教えてくれたのだ。だから今年からは、安心して手紙をしたためるがよいぞ。おぬしらもな、遠慮はいらん。欲しいものを書くのじゃぞ。」
少年たちが頷くと、じじ二人は至極満足そうに笑みを浮かべて去って行った。
「サンタさんに手紙って。貴鬼ならともかく、俺たちまで信じてると思ってるんだな。」
「あの年になると、貴鬼も僕らもあまり変わらないんじゃない?」
「そうかもしれない。でも・・・、お二人の気持ちはありがたく受け取ることにしよう。」
「うん、っていうか紫龍、よくあんなこと言えたね。僕笑わないようにするだけで精いっぱいだったよ。」
「まったくだ。」
談笑する4人のそばで、氷河が手紙を持ったまま立ち尽くしている。
「どうした? 氷河?」
「いる・・・。いるだろう? サンタクロース?」
え?
「シベリアには毎年来てくれたぞ。」
ああ、シベリアには来たかもしれない・・・と皆は思った。
というより、今ここで氷河の夢を壊したら、あとで赤い髪のサンタクロースに氷漬けにされることは目に見えている。
「あ、やっぱあれかなぁ。フィンランドが近いから、シベリアには毎年来たのかな? 僕たちちょっと、遠いところで修行していたからね。」
かわいそうにという顔で、氷河はこっちを見つめている。
「よい子のところには、必ず来る筈なんだが。」
「う・・・ん。ちょっと、良くないこととかもしたのかな?」
「あ、あれだ。オレ、早く寝なかった。捕まえてやろうと思って、朝までずっと見張ってたからさ、サンタの奴も出て来られなかったのかもしれない。」
フッと氷河は笑みを漏らす。
「馬鹿だな。寝ないとサンタさんは来ないんだぞ。」
「わかった。今年は寝る。手紙も書くからな。今年は絶対来てもらえるはずだ。」
「そうだな。よかったな。」
レターセットを片手に部屋に戻る氷河の姿を4人は見守った。
「・・・・びっくりした・・・・。シベリア爆弾、まさかそう来るとは思わなかった・・・。」
数日後、自分のプレゼントをどうするかより、師匠の作戦の行方が気になって仕方のない紫龍は、仲間たちに声をかけた。
「なぁ、星矢。プレゼント、何頼むんだ?」
「え?DS。もう手紙出したぜ。」
「DSってお前、それが何かということと、メーカー名、販売店は明記したのか?」
「いや? DSっつったら、DSだろう。」
「それがあのふた・・・いやサンタクロースにわかると思うのか?」
「そっか。」
「いい、俺の手紙の方に、追伸で書いておいてやる。・・・で、瞬は何にしたんだ?」
「僕はね、商品券にした。一番無難でしょ。」
無難ではあるが、あの二人はがっかりするだろうと紫龍は思った。
「一輝は?」
「兄さんはね、ぐいのみだって。」
15歳の希望としてはどうかと思うが、老師たちにとってはわかりやすいチョイスである。
「で、氷河は?」
「俺はもう、カミュに預けてあるからな。もう手紙は出しましたと書いておいた。」
クリスマスも近いというのに、紫龍の胃はキリキリと痛んだ。
さて、自分は何にしよう。
買いにゆく手間もあるだろうから、早めに手紙を出さなくてはならない。
レターセットを前に頬杖をついた紫龍は、ふと思いを馳せた。
この手紙をもとに、二人はプレゼントを買うのだろう。そうしてきっとクリスマスの夜に、プレゼントを届けにやってくる・・・。
今年のクリスマスは聖域でパーティをすることになっているので、皆聖域に泊まることにしている。近場に集まっていれば届けるのも楽なはずだ。
が、しかし・・・。
紫龍はふいにあることに思い立って立ち上がった。
それから再び椅子に腰をおろし、深くため息をついた。
夜、紫龍はこっそりと瞬の部屋を訪ねた。
「夜分にすまない。少し、気になることがあるんだが・・・。」
珍しく口ごもる紫龍を、瞬は辛抱強く見守った。
「クリスマス・・・今年は皆聖域で過ごすことになっているな。おそらくその晩に、老師たちがプレゼントを届けてくれると思うのだが・・・氷河は宝瓶宮に泊まるだろう?・・・何というか・・・その・・・俺の考えすぎかもしれないが・・・クリスマスの夜に、あの二人のところへ、老師が忍んで行っても差し支えないだろうか?」
瞬の丸い瞳が、さらに大きく見開かれる。
「あ、いや、氷河は早く寝ると言ってたし、俺の考えすぎだな。忘れてくれ。」
「いや、紫龍の言うとおりだよ。サンタ前かサンタ後かは知らないけど、クリスマスのお泊りなんてさ、そうに決まっているよ。」
「・・・やはりそう思うか・・・。」
「さりげなく、カミュに二人の計画のことを伝えておいたほうがいいよね。そっから先はカミュに考えてもらおう。紫龍、君から言ってくれる?」
「俺が!?」
「僕、その辺踏み込むの、ちょっと怖いんだよ・・・。」
「俺だって!!」
結局二人で行ってみようということになって、翌日紫龍たちは聖域を訪れた。
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この記事へのコメント
氷河のお誕生日って変更があったんですか~!
知りませんでした。 しかもクリスマスとは…存在そのものがカミュ先生へのプレゼントですね!
続き楽しみにしています(*^o^*)
知りませんでした。 しかもクリスマスとは…存在そのものがカミュ先生へのプレゼントですね!
続き楽しみにしています(*^o^*)
Re:無題
そうなんですよ。多分アニメ化されたときだと思うんですが、公式発表でクリスマスでした。
水瓶座の後継者となることが濃厚となった時点で、こっそり日付変更・・・(笑)。
本当に、存在そのものが先生へのプレゼントですね。
だからこそ最初の誕生日も忘れがたいのです。
水瓶座の後継者となることが濃厚となった時点で、こっそり日付変更・・・(笑)。
本当に、存在そのものが先生へのプレゼントですね。
だからこそ最初の誕生日も忘れがたいのです。
2011/12/23(金) 06:58 | ふうこ
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