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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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星矢再燃して、急に好きになったのが魚座氏。

で、魚座氏と白鳥さんのやり取りを妄想するのが好きです。
薔薇を咥える者同士、きっと意気投合するはず!!

薔薇の棘をさりげなく凍気で削り取って手渡す氷河。
「今のは、なに?」
「あ、唇を傷めるといけないから・・・。」

うん、弟子にしよう。と、アフロディーテ氏は思うはず。

毒薔薇だって大丈夫。

「気をつけなさい。この花には毒が・・・。」
「なら、こうすれば平気かな」
そう言って、花ごと凍らせる。
「ほら、きれいだ・・・」 ニコッ。

そうやって美貌の下に隠された、繊細なハートをわしづかみ。

うーん、素敵だ♪



以下は、魚座さんと、龍と白鳥、でもってシュラが出てくる話。
氷河は美に関して無頓着というのを書きたかったんだけど、伝わるかなぁ・・・。
突っ込み役に紫龍を出したくて、四苦八苦。
で、結局シュラまでちょっと巻き添え。




拍手[8回]

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お食事会という名の・・・



約束通り5時10分に宝瓶宮を訪ねると、氷河は柱に背を預けて立っていた。
何だか日本にいるときと雰囲気が違う。
アイロンのかかった細身の真っ白なシャツに品の良いダークグレーのパンツ。
髪もしっかりと整えられ、なんだかいい匂いがする。
非常時以外に聖域で会うのは初めてなので、彼がこちらではいつもこうなのか紫龍にはわからない。
日本で会うときはいつも着古したTシャツで、髪だって寝癖だらけでしょっちゅう瞬に注意されている。
それでも誰もが振り返るほどの美少年なのだが、こうして磨き上げると美しさはさらに増して、共に戦った仲間でありながら、紫龍は一瞬言葉を失った。
こちらの視線に気づいたのか、氷河は照れたように目をそらして歩き始めた。
 
二人が向かうのは、双魚宮である。
たまたま聖域にきていたら、「食事でもどう?」と誘われた。
美の頂点を極める聖闘士に食事を誘われるのは光栄なことだが、紫龍は困惑した。
なにしろこれまでほとんど会話をかわしたことがないのだから。
こちらの反応を予想していたと見えて、アフロディーテは機嫌よく笑って付け加えた。
「氷河と、カミュと、シュラが一緒なんだ。私の宮でなんだけど、どうかと思って。」
明らかにホッとした様子の紫龍を見て、アフロディーテは再び笑った。
「大丈夫そう?」
「はい、喜んでお邪魔させていただきます。」
食事会は6時からだが、何か手伝うことがあろうかと、青銅聖闘士の二人は早めに双魚宮を訪れることにしたのである。
 
紫龍はアフロディーテとほとんど面識がない。
一方で氷河は、宝瓶宮と双魚宮が隣り合っているために、何度か話したことがあるという。
「どんな人だ?」
「凛としていて、いい人だと思う。ただ、服装にはうるさい。」
フッと紫龍は笑った。
「それでそんな格好をしているわけか。」
「カミュにまで恥をかかせてはいけないからな。」
「しかし似合うぞ、その格好。日本でもすればいいのに。」
「面倒だ。」
 
双魚宮の前で挨拶をすると、「庭においで」と促された。
広い薔薇園に佇む男は、確かに息を飲むほど美しかった。
豊かな金色の髪、碧玉の瞳に紅い唇。
それでいて、鍛え抜かれた長身と見事に均整がとれている。
黄金聖闘士とは、つくづく不思議な人たちだと思う。
しかし、氷河。
アフロディーテにひけを取っていない。
普段のガサツな性格を知っているのでどうもアレだが、アフロディーテのようなあでやかさよりむしろ氷河の清廉さの方が、紫龍にとっては好ましく思われた。
アフロディーテは顎に指をあてて氷河を眺めている。
「うん・・・、少しは見良くなったな。しかし襟元は少し開けた方がいい。」
アフロディーテはそう言うと、氷河のシャツに手をかけて、ボタンを一つ外した。
 
切ったばかりの薔薇の入ったバケツを持ってリビングにゆくと、美味しそうな匂いが立ち込めていた。
料理はもうあらかたできていて、盛り付けを待つばかりである。
花瓶に薔薇を活けてテーブルに皿とグラスを並べると、あとはこれといってすることもない。
 
「君たちを見ていると、弟子をとるのも悪くはないと思ってしまうな。」
ワインの瓶をチェックしながら、アフロディーテが言った。
「あ、それだったら俺たちの兄弟で、毒を使えるやつがいますよ。」
バケツを片付けて戻ってきた氷河は、至極朗らかに言い放った。
いやな予感がして、紫龍は氷河を見守る。
「青銅聖闘士なんですけど、知ってるかな。ヒドr・・・。」
紫龍は光速で氷河の口を塞ぐと、部屋の外へと引きずり出した。
 
きょとんとしている氷河にたずねる。
「氷河、アフロディーテの特徴は何だ?」
「魚座の黄金聖闘士。」
「あとは?」
「薔薇を武器にしている。」
「あとは?」
「花を育てている。」
「あとは?」
「ハーブティも作っている。」
埒が明かないので少し踏み込んでみる。
「見た目に関しては、どう思う?」
「びっくりするほど、きれいな人だ。」
ちょっとほっとしながら紫龍は言葉を選ぶ。
「そうだ。聖闘士の中で美の頂点を極めていると言われている。それに対して、なんだ・・・市は・・・どうだ?」
「それ、戦いに必要あることか?」
「いや、そう言われると、ないかもしれないが。しかし、その、なんというか・・・。」
「ああ、でも、市が言ってたよな。『勝敗は常に顔で決まる』って。」
「あ・・・、まぁ、言ってたな。」
「だったら気が合うかもしれない。」
「市、お前に負けただろう。」
「そうか。」
「いずれにせよ、本人に聞いても見ずに、こちらで勝手に話を進めるのはやめた方がいい。」
「ああ、わかった。」
コクンと頷くと、柔らかな金色の髪がさらさらと揺れた。
得心したのか、口元に浮かんだわずかな笑みが、見る者の心を蕩かしてしまいそうである。
コイツに自覚はないのだろうか。
氷河の兄弟だなんて、どれだけハードルが上がることか。
 
「どうしたのだ? 急に?」
「いえ、何でもありません。」
「弟子の候補がいるとか?」
「いえ、勘違いでした。」
「ふふ、まぁいいさ。弟子をとるつもりはないのでね。」
「そうなんですか?」
その様子がどこかさみしげに見えて、紫龍はじっとアフロディーテをみつめた。
けがれのないまっすぐな瞳。
なるほどね。とアフロディーテは思った。
シュラがああして、彼を大切に思うのもわかる気がする。
揺るぎのない強さは、自分たちも求めたものだった。
あんなに必死になって求めたのに、それがこの、少年の瞳の中にある。
 
「ローズ デ キャトル ヴァン」
壁際に置かれた紅い薔薇を見ながら、ふいに氷河が呟いた。
「お、よくわかったな。」
「この名前だけ覚えました。」
「ご褒美に一輪あげよう。」
そう言うとアフロディーテは、一輪抜き取って氷河の胸ポケットに挿した。
「君にはこっち。」
手渡されたのは、別の花瓶に挿してあった白い薔薇。
胸ポケットがないので戸惑っていると、氷河が奪い取って髪に挿した。
「何をするっ!」
慌てて髪に手をかけたところで、ガチャリと入口のドアが開いた。
一瞬手をとめてそちらを見ると、怪訝そうな顔の短髪の男と目が合った。
「ああ紫龍、シュラのシャツには胸ポケットがついてるよ。」
何故だかひどく楽しそうなアフロディーテに促されて、紫龍はその花を恩義ある男に手渡した。
 
 
 


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これもまた、書き尽くされたネタなんでしょうが・・・。
今朝5時に目が覚めて、こんな話を必死に書いていたという・・・。

登場人物は、氷河、ムウ様、貴鬼です。



拍手[4回]




「氷河っ!」
石段を上りかけたとき、白羊宮から貴鬼が飛び出してきて氷河の腕をつかんだ。
「今、ムウ様とニホンのお菓子を食べてたんだよ。氷河も好きだろうから、ちょっと寄っていきなよ。」
そう言うと、氷河の返事も待たずに、背中の聖衣箱をぐいぐいと押した。
「いいのか? 急にお邪魔して?」
「何言ってんだよ。いいに決まってるよ!」
貴鬼とはなじみの仲である。
アスガルド、海王戦という二つの戦いが、彼らを結び付けた。
氷河としてはかわいい弟分という気持ちだが、実のところ貴鬼には秘めた想いがある。
「氷河のことは、オイラが守る。」
氷河がもう二度とあんなつらい思いをしなくていいように、自分ももっと強くなりたい。
氷河がもう二度とあんな風に困らないように、彼女もちゃんと見定めてやりたい。
そんな貴鬼の想いなどつゆほども知らぬまま、氷河は白羊宮の回廊を押されていった。
 
貴鬼と菓子を食べるのはいいとして、ムウと対面するのは少し緊張する。
そうでなくても口下手な氷河は、あのすべてを見透かすような藤色の瞳に見つめられると、何を話したらよいのかわからなくなってしまうのだ。
カミュと一緒のときは、別に沈黙は怖くない。
なのに、ムウの前では、何を話せばよいのかと気ばかり焦ってしまう。
 
そんなことを考えているうちに、氷河はムウの私室に押し出された。
「ムウ様ぁ、氷河を連れてきました。」
奥の椅子に腰かけて一人茶を啜っていたムウは、静かに茶碗をテーブルに置いた。
と、向かいの椅子がひとりでにスッと動いた。
「どうぞ、お掛けなさい。」
「すみません、お邪魔します・・・。」
 
「ほら、これ、ニホンのお菓子なんだろ?」
氷河に日本茶を差し出しながら、貴鬼がテーブルの上を指差した。
皿の上にぽっちりと載っているのは、甘納豆である。
何か、どこかで、見たことはある。
しかし氷河も、食べたことはない。
「老師にいただきましてね。」
それで思い出した。
紫龍の部屋に、あったのだ。

「どうぞ。」
「いただきます。」

一粒つまんで口に運ぶ。
甘いものは嫌いではない。
いや、むしろ大好きだ。
口に含むとざらざらとした砂糖の触感があり、口の中に濃い甘みが広がった。
うまい。
しかし、地味なうまさだ。

「おいしいですね。」
「ええ、なかなか。」
 
 
 
「あ、あの・・・聖衣、おかげさまで調子いいです。」
「ま、女神の血によるのでしょうね。」
 
 
 
「あ、星矢たちも、近いうち聖域に来ると言ってました。」
「そうですか。楽しみですね。」
 
 
 
妙なプレッシャーを感じて、氷河はすがるように貴鬼の方をみた。
貴鬼は尊敬する師匠と大事な氷河が話すのを、ニコニコと見守っている。
「氷河、アマナットウ気に入ったんだね。」
「え、あ、ああ・・・。」
見れば皿はほとんど空になっている。
気に入ったかどうかは別として、手持無沙汰でついつい食べ過ぎてしまった。
そろそろ退出してもいいのだろうか、しかし食べるだけ食べてすぐに席を立つのも失礼だろうし・・・。
そう思っている間に、貴鬼がお茶のおかわりをついでくれた。
ついでに皿の上にも、ざらざらと甘納豆が追加された。
「あ、お湯。オイラ、向こうで沸かしてきますね。」
 
頼みの綱である貴鬼が行ってしまうと、ますます沈黙は重く感じられた。
氷河は頭の中の抽斗を引っ掻き回し、話題を探した。
思い当ったのはひとつだけ。
それが話題として、正しいのかどうかはわからない。
それでも黙っているより良いのではないかと、氷河は思い切って口にした。
 
「あ、あの、眉・・・。」
 
「眉?」
 
つまんだ甘納豆に目を落としていた氷河は、ムウの目が一瞬暗く光ったのに気付かなかった。
「シオンも貴鬼も、あなたと同じなんだと思って・・・。」
ムウはフッと小さく笑うと、口を開いた。
「私は、教皇を務めかつ聖衣の修復にも優れた技術を持ち、私をここまで導いてくれた大恩ある師シオンを大変尊敬しているのですよ。ですから、シオンと同じこの眉の形は、師への尊敬の念の表れとでも言いましょうか・・・。貴鬼も、私からは何も言っていませんが、ちゃんとわかっていてくれているようで、幼いながらも真似てくれているのですよ。」
そこまで言ってムウは、ぐっと身を乗り出して氷河を見据えた。
「あなたの師匠も、特徴的な眉毛をしていますけどねぇ・・・。師への敬意など、表す必要はないと?」
カミュの足跡すら拝みかねない氷河が、カミュを尊敬していないわけがない。
聖域の人間なら誰もが知っていることで、これ以上表されても鬱陶しいだけである。
そんなことは百も承知で言ってやると、白磁の肌はみるみる朱くなった。
「オ、オレ・・・そんな風に考えたことありませんでした。」
「そういうのは、人から言われる前に自分で考えなければ。」
 
で、でも、あの眉毛にするのはちょっとやだな・・・。
 
お年頃の氷河はちょっぴりそんなことを考え、しかしそれがひどく不敬なことのような気がして頭を振った。
 
「今からでも遅くはありませんよ。なんならお手伝いしましょうか?」
どこからか飛んできた毛抜きを手にすると、ムウは莞爾と微笑んだ。




 


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