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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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遅ればせながら、パラ銀に行かれた皆様、お疲れ様でした。
連休中は、子供に踏みつけられながら炬燵で爆睡・・・というダメな時間を過ごしておりました。
もにゃもにゃ妄想だけはしていたけれど、いいにいさんの日も、いいふたごの日も、いいフナの日も通り過ぎてしまいました。
龍・氷を書こうと思ったら、妄想内のラストで水餃子食べて仲直り。
一・氷を書こうと思ったら、妄想内のラストで牛丼食べて仲直り。
そんなオチ目指して、頑張って書く気になれない・・・orz

一・氷が好きと言いながら、自分で書こうと思うと一線越えさせるのがとっても難しいです。
牛丼までにフフフな展開をと思ったのに・・・。

というわけで(?)、まったく兄さんの出てこない前半を、もともとそういう話だったことにしてUPしてみます。
ポセイドン篇からハーデス篇の間が、どんだけ好きなんだという・・・。

拍手[18回]

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雨宿り


戦いの傷が癒えてきた。
ベッドから起き上がり、歩くくらいのことなら一人でできる。集中治療室からいつもの城戸邸に戻り、互いの怪我を労りながらの生活。女神は聖域に向かったが、ポセイドンとの戦いで傷ついた5人は、ついてゆくことを許されなかった。


 
リハビリから戻った氷河が、冷蔵庫から水を取り出して部屋へと戻ってゆく。
キンとした冷たい小宇宙が、その周りを覆っていた。
氷河は、戦いのときのままだ。
聖衣こそ纏っていないものの、常に何者かの気配を伺っている。
「聖域では黄金聖闘士達が、聖戦に備えている。俺たちが気を抜かないのは当たり前のことだ」
呟くように言った言葉は正しかった。
けれども幾か所にも巻かれた包帯が、特に顔半分を隠すように巻かれた左目の包帯が、痛々しく瞬の胸に突き刺さった。
戦うことなんて、考えないで。
そう、言いたくなる。
もうこれ以上、君の傷つくところなんて見たくない。
喉につかえた言葉を持て余している間に、氷河は背を向けて行ってしまう。
前よりまっすぐに立っているのに。
誰かと目を合わせることがなくなった。
 
「聖戦って、本当に起こるのかな」
リビングのドアが閉まってからしばらくして、瞬はぽつりと言った。
「神話の時代からずっと繰り返されてきたんだろ? それに備えて黄金聖闘士達はポセイドンが来ても聖域を離れられなかったんじゃないか」
星矢の答えは明快だ。
「・・・そうだけど・・・。戦いを避ける方法を、見つけられたらいいのにね」
温かな紅茶の入ったカップを、瞬は両手で包むようにして目を落とした。
「沙織さんなら、いつだってそれを第一に考えるだろ? 相手が聞く耳持たないってとこが悔しいけど」
「・・・うん・・・」
「とにかく今は、自分達の怪我を治すことが大切だ。今のままでは十分に闘えるとは言い難いからな」
そう言った紫龍は、目の治療を受けるために近々五老峰に帰ることが決まっている。
 
「おい、星矢、お客様だ」
辰巳の声が聞こえて、星矢は玄関へと向かった。
長話の末、星矢は箱をぶら下げて戻ってきた。
「星の子学園からお見舞いだって」
箱には子供たちの字でありがとうと書いてあった。
中には5つのケーキ。
「うわっ、うまそー。瞬は2個喰えな」
「いいよ・・・兄さん、いないのが悪いんだ。早いもん勝ちにしよう」
「氷河、呼んでくるか」
「あ、うん、僕が言ってくるよ」
紫龍を座らせて、瞬は席を立った。
 
前は、こんな風に戸惑ったりしなかった。
この部屋のドアを叩くのを。
叩いても返事がないからドアを開けると、大抵氷河は眠ってるんだ。聖闘士の癖に、寝起きが悪くって。眩しいほどの金色の髪が、変な風にぴょこんとはねていたりして。
そんなことを思い出しながら息を詰めてノックをすると、すぐに扉のドアが開いた。
「あ、ケーキ、貰ったから、お茶にしない?」
一瞬、右の瞳が揺れた。
瞬の発した言葉の意味を理解するまでに、時間が必要だという顔だった。
「星の子学園のみんなからのお見舞いなんだ。僕たちにって。折角だから、みんなで頂こうよ」
「・・・・・・わかった。後で行く」
 
ケーキは3種類あった。
星矢がショートケーキ、紫龍がチョコレートケーキを取ると、丁度3種類がひとつずつ残った。
「瞬、好きなの選べよ」
「うん、でも・・・」
「あ、来た。おーい、氷河、ケーキどれにする?」
差し出された箱を氷河は戸惑ったように眺めた。
それは氷河には、ひどく場違いなものに見えた。
欲しいものなど、この世にはもう何もない。何かを選べるなら、それは・・・。
「どれが食べたい?」
瞬の声が、遠く聞こえる。
別の子どもの声が、それに重なった。

「氷河、どっち食べたい?」
「え? アイザックは?」
「じゃあ、二人で食べたい方指差そうぜ。せーのっ!」

無意識に指が、左の包帯に触れた。
「どうしたの? 目、痛むの?」
瞬の声がますます遠くなる。
「いや・・・。悪い、少し、部屋で休む」
感情につぶされてしまう前に。
逃げるようにして氷河はその場を離れた。
 
 
小さな指が、二人してチョコレートの包みを指差す。
「何だよ。二人ともおんなじかぁ。そしたらじゃんけんな・・・じゃんけんぽん!!・・・あ、俺やっぱ、こっちが良くなった」
「嘘だよ。アイザック、勝ったんだからチョコ食べろよ」
「でもさ、飴の方が長く口の中に入ってるんだぜ。だから飴の方がいい」
「本当に?」
「ああ、本当にこっちのがいい」
「本当に本当に本当??」
「ああ。本当に本当に本当だ」
頭を揺すると声は消えた。
代わりに、血の色が視界を染める。
もう一度頭を揺する。
まだ見ぬ敵の姿が、うっすらと聖域の向こうに見えた気がした。
「カミュと、アイザックの分まで戦う・・・」
握りしめた拳から、うすく凍気が立ち上った。
 


追記を閉じる▲

某所の皆様の一・氷論を、胸を熱くして拝読しています。
全然元となる同人誌を読んでないのにうろちょろちょろしていて、一升瓶抱えていらっしゃる皆様の横で、カルアミルク舐めてる感じですが、私なりに感動しているのです。
ううむ。一氷・・・奥が深い・・・。
そして、薄い本が届いたら、皆様の言葉をかみしめながら読む所存です。


さて、私が☆矢の二次創作で好きなのは、氷河受けでございますが。
もう、あの頑張っちゃってる子をなんとかしたいという思いがあります。
もうそんなに頑張らなくていいから、泣いちゃいなさい。
はぁ~もう~って感じ。
なので、脳内では、氷河がドン引きするほど病んでます。

無意識で自分をコフィろうとしたり。
アイザックと戦ったショックのあまり聖闘士になってからの記憶がすべてとんで、「カミュはどこにいるんですか?」といって周囲を悩ませたり。
深夜に氷原をふらつくから、兄さんと紐で手首を縛りつけて眠ったり。
アイザックを失ったショックで声が出なくなって、カミュのおかげで出るようになったものの、ポセイドン戦でまたでなくなって、でも先生はもういないとか。

おかしいです。
別に自分自身に自傷癖はないのに、どうして氷河ばかり・・・。
というか、氷河以外でこんな妄想はしないのですが、
桃色より恥ずかしい病んでる世界というのはそういうのデス・・・。

で、そういう氷河をひたすらちやほやしたいのです。
だからCPだけでいったら一・氷だけど、総受けが好きなんでしょう。
あの手この手で癒したい。
なんならLOVEでなくてもいい・・・。


私、男女の恋愛話ってほとんど読まないのです。
何かの要素(お芝居とか、革命とか・・・)が加わっていれば読めるのですが、恋愛オンリーって読めない。
誰が誰を好きとか、やきもちとか、そういうのって現実にあふれかえってる。
自分のドロドロした感情だけで精一杯。
なので何かを読むときは、それとは違うものが読みたい。
女の思考や体と切り離されたものが読みたい。
そんなわけで少年漫画を読み、
そうはいってもLOVEが欲しくなるとその中で二次創作・・・となっているような気がします。

だから氷河には、受けであっても男でいてほしい。
悲劇的で、でも凛とした美少年であって欲しいと思っちゃうのだと思います。
(でも、そうはいっても自分自身は凛としていないわけなので、なかなか思うような話が書けないわけなのですが・・・。)


一輝と氷河の友情っていうのは、そりゃぁいいものです。
喧嘩しつつも一番理解しあっているのはこの二人なんじゃないかなぁ・・・って思ってます。
そこが好きなんです。
友情でも、兄弟愛でも、LOVEでも・・・。


一・氷のLOVE話は読むのは大好きだし、いつかは自分でも書きたいぞと思っていますが、そんなわけでLOVEについてはまるっきりの初心者なんだってことに気がつきました。
なので今書いているお話も止まってるんでしょう・・・。
いい男が、いざって時にどういう行動をとるのかいまいちわからない・・・。むぅぅ・・・。

なんだかへんてこりんな自分語りを長々書いてすみません。皆様の一・氷論を拝読していて自分の立ち位置を振り返ってみたくなった次第です。

振り返りついでに、再燃後最初に書いて没になった一・氷話を下にUPしてみます。
色々気になりますが、つまりはこんな感じでちやほやしたい・・・。





拍手[17回]


扉の開く気配がして、一輝は目を覚ました。
物音を立てないよう慎重にドアを閉めているのは瞬ではない。窓から差し込むわずかな月明かりを、金色の髪が反射している。
一輝は目を閉じたまま次の動きを待った。戦士であれば、例え睡眠中でもわずかな気配で目を覚ます。デスクイーン島という過酷な環境で育った一輝であればなおさらのこと。暗黒聖闘士を従えていたとはいえ、いつ寝首をかかれるかわからない。そういう緊張状態の中で、長い月日を過ごしてきたのだ。
しかし侵入者の方はそんなことには思い至らぬ様子で、静かではあるが無防備に歩みを進めてくる。壁際に据えられたシングルベッドのすぐそばまでくると、しゃがみこんでその顔を近づけた。
五秒。
体温を感じる程近くに顔を寄せていた氷河は、小さく息を吐いて立ち上がった。
その腕をおもむろに掴んで、一輝は自分の方に引き寄せた。
「何の用だ」
低く、心の奥を揺さぶるような声。
氷河は舌打ちして顔を背けた。
「・・・お前を殺す夢を見た。死んでないのなら別にいい。」
肩にまわされた腕を払いのける。
その手が、やけに冷たい。
 
ポセイドンとの戦いを終え一輝が砂浜で目を覚ましたとき、氷河は一人半狂乱で誰かを探していた。首から血を流したまま海へと入ってゆこうとするのを押しとどめると、そのまま掠れた声をもらして意識を失った。そのため立ち去る機会を逸し、自分まで城戸邸で療養することになってしまった。
治療を受けて意識を取り戻してからの氷河は、別段いつもと変わりがない。
とはいえ、もともと感情を表に出す方でもない。さらに触れられるのを拒むかのように左目に巻かれた包帯が、彼の表情を一層わからないものにしている。しかし仮面のように保たれたその顔の下には、あの時の狂わんばかりの激情があるのだと思うと、一輝は落ち着かない気分になる。
そもそも誰かを殺す夢を見ただけで、不安に駆られて様子を見に来るということ自体、普通の精神状態であるとは言い難い。
「俺がお前に殺られるわけがないだろう」
笑みを漏らしながら耳元で囁く。その挑発に乗って氷の刃のように睨み返してくる蒼い瞳が、今は足元をみつめたまま動こうともしない。
殺せるはずもない人を、殺したばかりだったな。
一輝は氷河の腰に腕をまわして抱き寄せると、そのまま自身も仰向けに横たわった。
「なっ・・・」
氷河は慌てて身をひこうとするが、太い腕は腰を押さえたまま動かない。
何を考えているのかと表情を伺うと、不思議と穏やかな顔をして天井を見上げていた。
体の力を抜いて、その胸に頭を預けてみる。
力強い心臓の音が鼓膜を打った。
身体の熱。
厚い胸は呼吸に合わせてゆったりと上下している。
生きてる。
そう思ったら、じっとそのぬくもりに触れていたくなった。
 
「・・・星矢たちは無事だろうか」
小さな声。
「星矢は昨日、姉さんを探しにギリシャへ発ったろう。紫龍は東の部屋。瞬は隣で寝てるはずだ。叩き起こしに行くか?」
「いや・・・いい」
それだけ言って氷河は黙った。
吐く息が少しだけ震えている。
 
どのくらいの時が経ったのか。
「喉が渇いた」
幾分力強い声で氷河が言った。
一輝は起き上がって、備え付けの冷蔵庫を覗く。
「ホットミルクが飲みたい」
ベッドサイドに腰かけた氷河は、冷蔵庫に手を掛けたまま振り返る一輝を平然とみつめている。
確かに、心を落ちつかせるにはそう言ったものの方がいいだろう。しかしこの部屋にはレンジもカップもない。そんなことは当然、氷河も承知している筈だった。
さっきとは打って変わった不遜な態度に、一輝は眉を顰めた。
「下の冷蔵庫に牛乳がある。電子レンジで温めたので構わない。はちみつを大さじ2杯」
仕方ない。今回ばかりは言うことをきいてやろう。
ドアを開けると空気はさらに冷たく、廊下を歩きながら一輝は首をすくめた。
 
半ば予想していたことだったが。
戻ると白鳥は眠っていた。
小さく躰を折るようにして。
下唇に噛みしめた傷があって、乾いた血が赤くこびりついていた。
一輝は手にしていたホットミルクに口をつけ、その甘さに顔をしかめた。
 


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