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☆矢熱再燃。 ただただ氷河が好きだと叫びたい二次創作ブログです。 色気のある話はあまり書けないと思いますが、腐目線なのでご注意ください。 版権元とは一切関係ございません。
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ひっこめてた話シリーズ第三弾。
兄さんのお誕生日話で書いて、速攻隠した話です。

ひっこめてた話3つのすべてが一輝話なのは、かっこいい一・氷が好きなのに、自分では書けないせいだと思われます。
理想とのギャップがあまりにも大きく・・・(T_T)
でもあえてさらしてみる。

一輝と氷河。
兄弟100人設定がなければ、氷河のマザコンもあそこまでこじれなかったろうし、一輝が荒れ狂うこともなかったと思う。
それに、二人の互いにわかってる感もこの設定がないと薄れる。
でも。
そうすると二人は兄弟ってことになって、LOVEには持ち込みにくくなる。
そこがジレンマ。
ま、ぼわっとごまかしてますが。

が、下の話では、あえての再確認。

氷河の(橋本さんの)、あのどこかきちっとした話し方が好きなんです~。
あの話し方をイメージしつつ。
聖戦後、かなり経ってからという設定です。



ちなみに最初にUPした時のコメント。


一・氷が一番好きなのです。
もっと緊張感があるのが好きなんだけど、私には無理・・・(淋)。

初Hなんて、本当は殺生谷でいいと思ってますケド。


今もその思いに変わりはありません。

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滞在先のホテルで、氷河は一人窓の外を眺めていた。
予定よりも早く仕事が片付いたことを沙織に報告すると、それでも帰りは明日の便でよいという。
きれいなところだから、久しぶりにのんびりしてらっしゃい。
至極穏やかに女神はそう言った。
 
 
 
 
窓からは海が見える。
海には白い船が。
線を引くように船が走ると、砕けるように波がおこってキラキラと陽の光をはじいた。
 
降りてゆこうか、あのまぶしい海のそばまで。
 
口元に笑みをたたえたまま、振り返ると部屋のドアが開いた。
 
子供っぽい衝動は、そのまま静止する。
しかつめらしい顔を取り繕うと、踏み出した足を一歩引いた。
 
「出かけようかと思っていたところだ。」
 
そう言うと、フンと男は笑った。
 
 
 


ドアを開けた時の、一瞬の表情を、一輝は見逃したわけではなかった。
蒼い瞳が優しそうに輝いていた。
何があっても、信じることをやめない。
強い魂の宿る瞳。
 
みつめると氷河は、わずかに振り返って窓の外を見た。
白いカーテンが風をはらんで、氷河の後ろで揺れている。
どうしてそんななのか。
淡い金色の髪も、細く長い指も。
胸が痛くなる。
 
 
 

(のがれられそうにもない)
氷河は小さくため息をつくと、一輝をみつめ返した。
奴が自分に求めているのは何か、ずっと前から気が付いてはいた。
今、こうして向き合ったまま、何かしらの答えを、出そうとしている。
陽光がそうさせるのか、ずいぶん明るい心持で。
 


 
 
一輝は歩み寄ると、氷河を抱き寄せた。
その柔らかな髪に、顔をうずめる。
ずっと欲しかった。
壊してしまいたいとも思ったし、護りたいとも思った。
そのどちらもさせずに、こいつは。
抱く腕に力を籠め、唇を少しずらす。
 
氷河は両手で、わずかに胸を押し返した。
「わかってるはずだ。俺たちは・・・。」
「何をいまさら。」
兄弟だから、何だ。
地獄の果てまで行って神を倒しておきながら、今更天罰などおそれるわけがない。
流した血と涙と、それらを一体誰と分かち合える?
 
氷河は一輝の瞳を、黙ったままじっと覗き込んだ。
やがてかすかに笑みを浮かべると、腕に抱かれたままその美しい瞳を閉じた。





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ひっこめていた微妙話第二弾。

去年の夏ごろの話です。
頭わいてる・・・。
でも、食べるたんびに思い出して、なんか書かずにはいられなかった記憶があります。
夏の話なんだけど、段々暑くなってきたからいいかな??

話中凍らせて食べるあの氷菓を「チューチュー」と書きましたが、正式名称はなんでしょう??
私が子供のときは「ちゅっちゅく」でした。
近所の若いママたちは「ポッキンアイス」と呼んでいます。



拍手[13回]



最初に始めたのは星矢だった。
いわゆる「チューチュー」。
買ってきたばかりのそれを氷河の元に持ってきて、「凍らせてくれよ」と言ったのは。
瞬く間に氷河が凍らせたそれを、ポキンと割って皆で半分ずつ分けて食べた。
何とも言えぬ懐かしい味。
城戸家のデザートで出るジェラートなどとは違い、チープな甘さが何とも癖になる。
以来、誰ともなく買ってきては、氷河の元に持ってゆく。

人を、冷凍庫の代わりにするな。

そう言って氷河はルールを作った。

凍らせたら半分は俺によこせ。
いやなら冷凍庫を使え。


それでも冷凍庫にただ入れておくよりも、氷河に凍らせてもらったほうが面白い。
同じ聖闘士だから原理はわかるが、目の前でみるとやはり不思議だ。
それにこういうのは、一人で食べるより、一緒に食べたほうが美味しい。



氷河はテラスの階段に腰かけて、庭を眺めていた。
カーキのハーフパンツに、黒のタンクトップ。
およそ彼らしくない服装だが、日本の暑さに辟易し涼しさを優先することにしたらしい。
同じように髪は、無造作にゴムで一つに束ねられている。
団扇でバサバサと扇ぎながら、「チューチュー」を齧っている。

「おい」
一輝が持ってきたそれを差し出すと、面倒くさそうに氷河が振り返った。
手にしていた食べかけを口にくわえると、無言のまま凍らせて半分に折った。

氷河の視線の先では、星矢たちがサッカーに興じている。
それを眺めるふりをして、一輝は氷河のすぐそばに座った。

あらわにされた首筋はやけに白い。
それにずいぶんとやわらかそうだ。
しっとりと汗ばんだ肌に、わずかなおくれ毛が張り付いている。

ほとんど無意識で、一輝は手にしていた氷菓をその首筋に押し付けた。

「やっ・・・」
などとかわいい声を、氷の聖闘士があげてくれるはずもなく。
胡散臭そうに蒼い瞳が、突き刺すようにこちらを見た。

無言のまま、特に気にする風でもなく氷河は再び星矢たちの方に目を転じた。
遠く、笑い声が聞こえてくる。

「一輝・・・・、お前、今日それ何本目だ?」
「10本目。」
「腹こわすぞ。」
「お前もな。」

ちりちりと日差しが照りつける、夏の一日。




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